先週の新興市場では、マザーズ指数が10日続伸、日経ジャスダック平均にいたっては16日続伸となった。3月1日の取引時間中に行われたトランプ米大統領の議会演説を前に手仕舞いの動きも見られたものの、投資家の中小型株に対する物色意欲は強く、下値では積極的な押し目買いが入った。トランプ氏の演説を無事通過すると、安心感から足元で人気化している材料株などに再び物色が向かった。なお、週間の騰落率は、日経平均が+1.0%であったのに対して、マザーズ指数は+1.6%、日経ジャスダック平均は+1.4%だった。<br/><br/>個別では、マザーズ時価総額上位のミクシィ<2121>が週間で2.4%高と堅調だったものの、そーせいグループ<4565>が同3.0%安、サイバーダイン<7779>が同3.9%安となった。売買代金上位では直近IPO銘柄のレノバ<9519>や、ジーエヌアイグループ<2160>、エルテス<3967>などが大きく買われた。また、高値更新から上値追いの展開となったグレイステクノロジー<6541>や、株式分割の実施を発表したエムビーエス<1401>が週間のマザーズ上昇率上位となった。反面、証券取引等監視委員会が役職員に対する課徴金納付命令の勧告を行ったモルフォ<3653>や、利益確定売り優勢のリファインバース<6531>が下落率上位だった。ジャスダック主力では、人材関連のエン・ジャパン<4849>が同7.0%高と強い値動きとなり、クルーズ<2138>も同5.5%高とリバウンドを見せたが、セプテーニ・HD<4293>は同2.8%安と軟調だった。売買代金上位では、利益確定売りが強まったアエリア<3758>が大きく下落したものの、ベクター<2656>、セグエグループ<3968>、日本モーゲージサービス<7192>の上げが目立った。また、チヨダウーテ<5387>やジェイHD<2721>が週間のジャスダック上昇率上位となった。<br/><br/>今週の新興市場では、マザーズ指数や日経ジャスダック平均は調整を挟みつつも緩やかな上昇が続くと考えられる。個人投資家は引き続き需給良好で、値動きの軽い中小型株の循環物色が続いている。ただ、注目度の高い3月IPO案件が次々とブックビルディング(BB)期間に入っていることや、ここまで相場をけん引してきた人気銘柄に信用規制の実施が広がっていることなどが需給面の重しとなる可能性がある。<br/><br/>今週は3月8日にアスカネット<2438>、9日にグッドコムアセット<3475>、鎌倉新書<6184>、10日にフルスピード<2159>、テンポスバスターズ<2751>、モルフォ、アイリッジ<3917>、シャノン<3976>、イトクロ<6049>などが決算発表を予定している。また、3月8日から10日にかけて「SECURITY SHOW 2017」や「リテールテックJAPAN 2017」など複数の展示会が同時開催される。出展企業も多いことから動向を注視したい。<br/><br/>IPO関連では、3月7日にロコンド<3558>が、9日にピーバンドットコム<3559>がともにマザーズへ新規上場する。ロコンドは公開規模がマザーズ上場案件としては大きく、今後の業績見通しが注目される。ピーバンドットコムはプリント基板のEC事業という事業内容で一定の関心を集めているようだ。なお、ほぼ日<3560>が6日、力の源HD<3561>が8日、マクロミル<3978>が10日までブックビルディング期間となっている。また、先週はテモナ<3985>(4月6日、マザーズ)の新規上場が発表されている。<br/><br/><br/>

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