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デリバティブ取引

デリバティブ取引とは?

デリバティブとは、原資産 (基礎となる商品) の価値に基づいて価格が変動する特殊なタイプの金融商品である。金融派生商品とも呼ばれる。基礎となる商品は資産、指数、そして利率などで、これらは『原資産』と呼ばれる。デリバティブ取引は、価格変動に対するリスクヘッジ(回避) や、リターンを狙う投機などの目的で利用される。

多くの保険契約が独自産業へと発達した一方、多くのデリバティブ取引は現在も店頭、もしくは取引所にて取引されている。金融商品をカテゴリ分けした際の主要三つのうち一つがデリバティブ取引であり、その他の二つは現物取引 (株式など) と債務取引 (債券ローンなど) である。

 

 

上場市場取引

上場市場で扱われるデリバティブ商品は専門的なデリバティブ取引所、もしくはその他の取引所を経由して取引される。上場市場とは取引所によって規格化されたルールの下、投資家が取引を行う市場のことである。投資家は上場市場で取引を行うことで、

  • 取引の流動性
  • 相手方がデフォルト(債務不履行)に陥ることによる信用リスクの軽減
  • 取引の透明性
  • 市場価格の維持

などのさまざまな利点を得ることができる。

 

上場取引の例:

先物取引

先物取引とは、未来の「ある時点」で決められた「価格」で商品 (金融商品コモディティ) を取引することに取引者双方が合意し、交わされる契約のこと。

先物契約が成立した場合は基本的に、設定された価格で売り手から未生産のものを買い取ることに同意することになる。 

 

オプション取引

オプション取引とは、商品 (原資産) を未来のある時点又は一定の期間内に決められた価格で取引を行うことができる「権利」を付与・売買する取引のこと。また権利購入者は必ずしもこの権利を行使する必要はない。

 

 

店頭市場取引(OTC)

店頭取引で扱われるデリバティブ商品は取引所の監督なしに、二者の当事者間で直接取引が行われる (相対取引)。店頭市場取引で決定した価格は必ずしも公に公開されるわけではない。店頭市場は、上場市場と同様に、コモディティ金融商品(株も含む)、そしてデリバティブ商品を取引している。

上場市場と異なり、店頭市場でのデリバティブ取引はより厳格に規格化されていなければならない。

取引の透明性を高めるため上場市場での取引は、質、量、そして同一性などが規格化され、取引の一貫性が保たれている。一方、店頭市場にはこのような制限が設けられておらず、例えば異常な量の取引が成立することもある。店頭市場では双務契約 (2者の当事者によってのみ契約が成立する) であるが故に、双方が信用リスクを負うこととなる。

また、店頭市場におけるデリバティブ取引はいくつかのアセットクラスに影響を与える重要な位置づけにある。

店頭取引の例は下記に続く:

 

スワップ取引

取引相手と「キャッシュフロー」やさまざまな「変動する原資産の金利」を交換するデリバティブ取引である。 資金を借りる方法は二通りあり、変動金利と固定金利がある。このふたつの異なった金利を交換するによってスワップ取引が行われる。

 

フォワード取引 (先渡取引)

フォワード取引は先物取引に類似しているが、大きな違いとしてフォワード取引は店頭取引であり、先物取引は (上場) 取引所取引である。つまりフォワード取引は二者の間で直接取引が行われるが、先物取引は取引所で取引が行われる。

フォワード取引とは当事者間で将来、決められた価格で売買する契約である。契約は通常、スポット(現物)価格や当日の価格に基づき決定され、購入価格(スポット価格)と引渡 (先物) 価格の差が損益となる。

フォワード取引は一般的に、リスク分散のためや将来の価格に投資するために使われる。

 

ワラント

最大1年間の支払期間が設けられる一般的な短期オプション取引とは別に、 長期オプション取引としてワラントが知られている。

 

外国為替証拠金取引 (FX)

最近では、投資家は直接ではなく仲介人または銀行を通して参加している。個人投資家の多くは外国為替証拠金取引を通じて外国為替市場に参入している。最近ではブローカーや銀行を通じて間接的に取引に参加することもできる。

 

差金決済取引 (CFD)

差金決済取引 (CFD) とは、投資家が原資産の値上がり / 値下がりを予想し、その値幅を利用して投機する取引方法である。

CFDでは証拠金を取引業者に預けることで、実際に商品を購入せずに取引を行える。この取引では投資対象の現物の受け渡しは行わずに、売買金額の差額のみで損益が決定する。

CFDとは取引方法の一つであり、上記に記した外国為替証拠金取引 (FX) はCFDを用いて取引を行う。その他にも株式指数コモディティ債券など、あらゆる金融商品でCFDを行うことができる。

 

 

その他のデリバティブ取引

コモディティ

コモディティはたいてい取引所で取引され、先物取引は最も古いコモディティの投資方法である。先物契約は現物資産を担保とするが、コモディティの投資方法としては現物取引デリバティブ取引があり、スポット価格を用いた取引、フォワード取引、先物取引オプション取引など、さまざまな投資方法が存在する。

 

投資信託

投資信託への投資は、その他多くの投資家と共に出資することで、グループでの投資というメリットを活かすことのできる投資方法である。

これらの利点は下記が挙げられる:

  • 資産運用を多様化させるとともにシステマティック・リスク (市場リスク) を削減する。
  • 取引費用の削減。
  • 投資のプロであるファンドマネージャーによって資産運用が行われる。また、ファンドマネージャーによって収益率の増加や、十分なリスクマネジメントが行われる可能性がある。

 

 

デリバティブ取引は何のために利用されるか?

デリバティブ取引は農産業の分野において古くから存在していた。生産者が農作物などの売買の際に、あらかじめ決めた価格で取引を行うことで安全かつ安定した取引を行うことができ、また購入者は万が一購入時に市場価格が高騰していてもあらかじめ契約した価格で取引を行うことができた。これがデリバティブ取引の先駆けである。

一方が決められた期日に決められた価格で商品を売り、また一方がその商品を買うことに合意することで契約が交わされる。この契約が組織化された市場で成立する前は、商品とサービスの取引は口頭または握手などで合意されるだけのものであった。

 

デリバティブ取引はさまざまな用途で利用することができる。

これらが特に一般的な用途である:

  • 原資産が持つリスクを軽減し、ヘッジをかけるため。デリバティブ取引は、保有する資産が予想と反対の動きをした際に損失の一部、また全てを回収する役割を果たすことがある。
  • レバレッジ効果。レバレッジを効かせることで、原資産の小さな値動きでもその差額から大きな損益を生むことがある。
  • 原資産にエクスポージャー (価格変動リスク) を与えることによって投資不可能なものでも取引可能にすることができる。(例: 天候デリバティブ)
  • 特定の条件に応じてオプション (買う権利) の付与が行われる。(例: 原資産が一定の価格に到達することでオプションの権利を行使できる)
  • 原資産価格が予想に沿った動きをした場合、投機で利益を得ることができる。 (例:予想通りの方向に動く、レンジ範囲を維持するかブレイクする、特定のレベルに達する)

 

 

デリバティブ取引のメリットとデメリット

デリバティブ取引においての投資のメリットとデメリットは多数ある。投資家が賢く投資すれば効果的に機能するが、投資家が誤った決断を下したならば大いに不利な立場においやられるだろう。

 

デリバティブ取引においてのメリット

公正な価格形成

デリバティブはヘッジや投機、サヤ取り(裁定取引)目的の投資家の参入を促し、競争性を高めることができる。上記のようなさまざまな投資方法を選べるため、値動きや取引の情報を常に追っている投資家が増えている。このようにより良い情報を持ちより良い投資判断を下せる投資家は、デリバティブの特性を生かしながら市場に参加することができる。例えば、小さな価格変動でも投機を狙う投資家の関心を引くことがあるだろう。買い手と売り手が多く、活発な市場では公正価格が生まれやすい。

以上のことから市場参加者・取引・出来高の増加、また小さな値動きにも反応のある市場では資産の公正な価格形成が期待できる。

 

リスクヘッジ機能

正確な情報と正しい取引方法を知っていればデリバティブは素晴らしいリスクマネジメントツールとなり、投資家に大きな利益をもたらすだろう。

デリバティブ取引ではその他多くの市場参加者とリスクを分散することになり、プレミアム (保険金) と引き換えに予期しない市場の動向に対してヘッジを掛けることができる、という点では保険と比較することができる。しかし、デリバティブではその過程で積極的にリスクとって利益を得る方法もある。

 

レバレッジ効果

デリバティブの市場では、投資家は少ない資金で大口取引を行うことができ、レバレッジ効果による利益を得ることもできる。これはつまり、投資資金が少ない投資家でも市場に参加できるということである。

 

取引価格の軽減

市場において参加者が多い場合、取引価格を軽減することが可能である。

 

 

デリバティブ取引においてのデメリット

変動率の増加

デリバティブ取引ではレバレッジ効果を利用した少ない資金での取引を可能にするため、デリバティブの市場参加者が増えるにつれ投機が増え、市場が乱高下しやすくなる。

 

保有期間

投資判断を誤ると、高額の損失を被ることとなる。これはデリバティブが長期保有の可能な株式と異なり、定められた保有期間があるからだ。つまり、大きな損失が生まれた際株式であれば損失を取り戻すまで株を保有することができるが、デリバティブの場合、どれだけ損失が大きくとも期日には決済を行わなければならない。

以上のことを含め、自分の資産を上回るポジションを保有した場合、破産という結果にもなりうる。

 

規制の必要性の増加 

多くの市場参加者はデリバティブを用いてリスク高い取引を行っている。デリバティブの需要が増え投資家が増えれば、破産を阻止し、デフォルトの連鎖を止めるため投機などのリスクの高い取引に対し規制を設けなければならない。

 

難易度

デリバティブの仕組みは非常に複雑で、取引における様々な戦略は専門家のみ実行可能である。そのため一般の投資家にとってデリバティブの利用は難しく、その取引の有用性を完全に生かすことはできない。 

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