<ひと目で分かる昨晩の動き>
【NY市場】
◆ドル円は反落。8月のPPIは予想を上回ったものの、FRBによる利下げ観測が根強く、ドルの上値を抑える。141円74銭までドル売りが進む。
◆ECBは予想通り政策金利を2会合ぶりに引き下げた。ラガルド総裁のコメントが追加利下げへの不透明さを与えたことで、ユーロドルは1.1075まで上昇。
◆株式市場では3指数が揃って続伸。ハイテク株が引き続き買われ、ナスダックは174ポイント高。
◆債券は小幅に続落。長期金利は3.67%台に上昇。
◆ドルが売られたことで金は大幅高。原油もメキシコ湾沿いの生産設備がハリケーンの影響を受けたことで続伸。
◆新規失業保険申請件数 → 23.0万件
◆8月生産者物価指数 → 0.2%
◆8月財政収支 → -380.1b
ドル/円 141.75 ~ 142.66
ユーロ/ドル 1.1009 ~ 1.1075
ユーロ/円 156.48 ~ 157.50
NYダウ +235.06 → 41,096.77ドル
GOLD +38.20 → 2,580.60ドル
WTI +1.66 → 68.97ドル
米10年国債 +0.021 → 3.674%
【本日の注目イベント】
◆日7月鉱工業生産(確定値)
◆欧ユーロ圏7月鉱工業生産
◆米8月輸入物価指数
◆米8月輸出物価指数
◆米9月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
ECBは市場予想通り、政策金利の下限である中銀預金金利を0.25ポイント引き下げ、3.5%にすることを決めました。
2会合ぶりの引き下げになりましたがラガルド総裁は会見で、今後の金利についての特定の道筋は示しませんでした。
総裁は、「労働コストの全体的な伸びは緩やかになっているものの、賃金上昇率は高く変動の大きい状態は続くだろう。一方で景気回復は、幾つかの逆風に直面し、リスクは引き続き下振れ方向に傾いている」と話しています。
ユーロ圏ではインフレ率が2021年半ば以来の低水準に落ち込んでいたため、今回の理事会ではほぼ政策金利の引き下げが予想されていましたが、物価抑制に向けた闘いはまだ終わっていないとの見方も多く、ラガルド総裁もこの点を意識した発言を行っていました。
ユーロドルは政策発表後、1.10台前半から水準を切り上げる動きを見せています。
米8月の生産者物価指数(PPI)は前月比で「0.2%」と、市場予想(0.1%)を上回っていました。ただ、7月分が下方修正されており、市場への影響はほとんどなかったようです。
また前年比では「1.7%」と、こちらは市場予想と一致し、2024年2月以来となる低水準でした。
この日発表された「失業保険申請件数」は前の週から2000件増加し、23万件と、このところの労働市場の減速と整合するものでした。
ドル円の値幅を伴っての荒っぽい動きは続いています。
140円台まで売られた後、昨日の午後は143円台まで戻し、再び141円台に押し戻されてきました。140-143円のレンジに入った可能性はありますが、足許ではドル円の3カ月ボラティリティーは11.6%台まで上昇しており、市場参加者が、ドル円は今後も荒っぽい動きをすると予想していることを物語っています。このまま140-143円の狭いレンジにとどまっていることはほとんどないと判断できます。
やはり、「一度は140円テスト」といった局面を迎えることになるのでしょう。
日本は3連休に入りますが、来週はFOMCです。単なる「勘」でしかありませんが、動かないか、大きく動くか、中途半端な動きにはならないような気もします。
本日のドル円は140円30銭~142円30銭程度を予想します。