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ドル円トランプ発言に急落

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<ひと目で分かる昨晩の動き>

【NY市場】
ドル円は良好な経済指標を受け、113円18銭まで上昇したが、その後に急落。トランプ大統領がCNBCのインタビューでFRBの利上げに批判的な発言をしたことで112円05銭まで円高が進み、112円40-50銭で取引を終える。

ユーロドルは1.15台後半まで売られた後反発。1.1679まで上昇したがその後は再び軟調に。

株式市場は反落。決算が予想を下回った銘柄を中心に売られ、ダウは134ドル安と、6日ぶりに下落。

債券相場はトランプ発言を受け上昇。長期金利は低下し、10日ぶりに2.83%台に。

金は約1年ぶりに1210ドル台まで下落し、その後やや反発。1224ドルで引ける。原油は続伸。

新規失業保険申請件数         →   20.7万件

6月景気先行指標総合指数       →   0.5%

6月フィラデルフィア連銀景況指数   →   25.7

ドル/円112.05 ~ 113.18

ユーロ/ドル1.1575 ~ 1.1679

ユーロ/円  130.72 ~ 131.17

NYダウ  -134.79  → 25,064.50ドル

GOLD  -3.90 →1,224.00ドル

WTI  +0.70   →69.46ドル

米10年国債 -0.031  → 2.838%

【本日の注目イベント】
日 6月消費者物価指数
独 独6月生産者物価指数
米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
米 企業決算 → GE
加 カナダ5月小売売上高
加 カナダ6月消費者物価指数

「トランプリスク」が再び顕在化し、ドル円はこの日の高値から1円以上も急落し、一時は112円05銭までドル安が進みました。週間失業保険申請件数が20.7万件と、実に1969年10月以来となる低水準を記録したことや、フィラデルフィア連銀景況指数も、予想を大きく上回ったことで、ドル円はNY時間朝方には113円18銭まで上昇しました。前日の高値である113円14銭を、僅かですが上回ったことで、重要な移動平均線である「200週線」をテストするのではないかという期待もありましたが、トランプ大統領の発言に1円以上ものドル安が進み、一気にセンチメントが変わり、冷や水を浴びせられました。

今回のドル上昇局面で、ドル円が「1円以上の深い下落」を見せたのは、約1カ月ぶりのことになります。昨日のこの欄でも、ドルの急落に「注意するにこしたことはありません」と書きましたが、今後もこういった予想外の動きはあると考えておくべきでしょう。

トランプ大統領はCNBCとのインタビューで、金融当局が借り入れコストを引き上げ、経済を減速させている可能性があるとして、「うれしくない」と述べました。また、「景気は上向いている。上向くたびに、彼らはまた金利を引き上げたいと考える。それに関して私は不満だ。だが同時に、彼らが最善と考える行動を私は容認している」と続けました。ブルームバーグ・ニュースは、このことに関して、「ホワイトハウスは長年にわたり、金融当局の独立性を尊重する立場から金融政策にコメントすることを避けてきたが、トランプ氏はこの伝統を破った」と、手厳しく批判しています。

トランプ大統領は、FRBのパウエル議長についても、「とても良い人物」と評価しています。ホワイトハウスは、トランプ氏の発言の後、「当然ながら、トランプ大統領はFRBの独立性を尊重している。大統領は自分で述べたように、パウエル議長をとても良い人物だと考えており、金融当局の政策決定に干渉しているのではない」との声明をメールで発表し、火消しに躍起になっていました。この発言に為替だけではなく、株式も債券も反応しましたが、発言のタイミングは予想できないとしても、トランプ氏は不動産業がなりわいで、多くの不動産を所有しています。そもそも多くの借入金がある不動産業は、金利高を嫌うものです。

ドル円は現時点では重要な水準である、113円30銭前後を越えることはできませんでしたが、まだドルの上昇基調は崩れていないと考えます。「日足」の200日線は110円12銭前後にあるため、この水準を上回っている限り、ドルの再上昇があると見ています。ただ、上で述べたように今後も「トランプリスク」は残っています。最大のリスクは「自動車の輸入制限」かと思いますが、米商務省は19日、国家安全保障を根拠とする自動車輸入制限を巡る調査に関して、公聴会を開きました。ロス商務長官は、自動車の輸入制限は既定ではないとしながらも、「トランプ
大統領は米自動車業界が(輸入制限の必要性を)どれほど不可欠であるかを理解している」と発言しています。自動車輸入制限措置を本格的に検討したら、ドル円の下落は1円程度では済まないと予想されます。

ドル円は112円05銭から若干戻してはいますが、今日のところは戻りも限定的かと思います。下値は112円を維持できるかどうかでしょう。予想レンジは112円~112円80銭程度と見ています。

【外為オンライン シニアアナリスト 佐藤正和の情報コンテンツはこちら】

【外為オンライン シニアアナリスト:佐藤正和】 邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。 インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。 通算20年以上、為替の世界に携わっている。
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