<ひと目で分かる昨晩の動き>
【NY市場】
ドル円は109円台では底堅く、昨日の日本株が反発したことで110円台前半まで上昇。NYでもFRB議長の発言と、長期金利が上昇したことから110円45銭までドル高が進む。
ユーロドルは1.15台半ばから後半でもみ合い。上値は重いものの、依然として1.15台はキープ。
株式市場はまちまち。前日の大幅安からナスダック市場は反発。55ポイント上昇し、最高値を更新。一方ダウは42ドル下落し、7営業日続落と、明暗を分ける。
債券相場は反落。FRB議長が利上げの正当性に言及したことで債券は売られ、金利が上昇。長期金利は2.94%前後まで上昇。
金は続落。引け値は1274ドルと、約半年ぶりの安値を記録。原油は反発し66ドル台を回復。
5月中古住宅販売件数 → 543万件
ドル/円109.95 ~ 110.45
ユーロ/ドル1.1567 ~ 1.1600
ユーロ/円 127.27 ~ 127.93
NYダウ -42.41 → 24,657.80ドル
GOLD -4.10 →1,274.50ドル
WTI +1.15 → 66.22ドル
米10年国債 +0.042 → 2.939%
【本日の注目イベント】
欧 ユーロ圏6月消費者信頼感(速報値)
英 BOE金融政策発表
英 カーニー・BOE総裁講演
英 英5月財政収支
英 BOE議事録
米 新規失業保険申請件数
米 6月フィラデルフィア連銀景況指数
米 4月FHFA住宅価格指数
米 5月景気先行指標総合指数
ドル円は109円台では底堅く、110円台に乗せ安定。昨日の東京市場でも、朝方は前日のNY株が大幅安を演じたことで、日本株もマイナスで取り引きが始まり、下落幅を拡大すると、109円85銭近辺までドルが売られましたが、その後は緩やかなドル高に転じています。日本株が大幅に反発したことで、ドルが安定した動きを見せましたが、NY市場では110円45銭までドル高が進んでいます。ポルトガルのシントラで開かれているECB主催のフォーラムでパウエルFRB議長は講演を行い「失業率が低く、さらなる低下が見込まれ、インフレ率は当局の目標付近にあり、見通しへのリスクはおおよそ均衡していることを踏まえると、FF金利の漸進的な引き上げを継続する根拠は強い」と述べ、利上げの正当性を改めて主張しました。(ブルームバーグ)FRBは先のFOMCで今年の利上げ回数を、従来の3回から4回に上方修正しており、それを裏付ける発言だったと捉えられます。
ここ2週間ほどドル円の値動きは鈍く、1日の値幅も少なく、ドルは堅調なものの、明確な方向性も見えません。この動きの理由の一つに、市場参加者が増え、市場が厚みを増したという指摘が
ありましたが、あまり説得力はないように思います。シカゴ先物市場での投機筋の建て玉を見ても、昨年までとは異なり、ロング、ショート、どちらにも大きく傾いていません。明確な方向性が見つからないということもあろうかと思いますが、彼らが積極的なポジションを取らないことも、値幅の縮小につながっているのではないでしょうか。このような状況では、ストップロスを狭くしてしまうと直ぐに執行されてしまい、その後また元に戻って行く展開も見られます。状況に合わせてストップを大き目にし、利益確定を小さ目にするなどの調整も必要かもしれません。
連日110円台での取り引きになりますが、良好な米景気を背景にした米金利の先高感と、米国の保護貿易主義がどこまで突き進んでいくのかのせめぎあいの様相となっています。上値は111円が抜け切れるか、一方で下値は109円を割り込めるのかが、今後のトレンドを見る上で重要なポイントになろうかと思います。本日の予想レンジは109円80銭~110円80銭程度と見ていますが、1時間足ではドルの上昇を示唆していますが、米中貿易問題の先行きが読めない中、どこまでドル高があるのか。先ずは110円50銭前後がマイナーなレジスタンスとなりそうです。