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ドル円110円台半ばを試す

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<ひと目で分かる昨晩の動き>

【NY市場】
ドル円は再び110円台半ばを試す展開に。トランプ大統領がオバマケア撤廃に伴う代替法案を取り下げたことで、今後の政策実行力を不安視する見方が台頭。ドル円は110円63銭まで売られたが、前回同様111円台まで押し戻されて取引を終える。

ユーロドルは方向感がなく、1.08を挟んでもみ合う。値幅も30ポイント程度で、今後のECBの政策を見極めたいとする姿勢が強まった

株式市場はヘルスケア法案を取り下げたことで、下げ幅を縮小。ダウは59ドル下げたが、ナスダックは11ポイント上昇。

債券相場はヘルスケア法案が取り下げられたことで小幅に上昇。長期金利は2.41%台で越週。

金と原油は小幅に反発。

2月耐久財受注  →  +1.7%

ドル/円110.63 ~ 111.38

ユーロ/ドル1.0790~ 1.0818

ユーロ/円120.07~ 120.22

NYダウ  -59.86 → 20,596.72ドル

GOLD +1.30 →1,248.50ドル

WTI   +0.44 → 48.14ドル

米10年国債  -0.007 → 2.412%

【本日の注目イベント】
独   独3月ifo景況感指数
欧   ユーロ圏2月マネーサプライ
米   エバンス・シカゴ連銀総裁講演
米   カプラン・ダラス連銀総裁講演

米下院共和党は24日、医療保険制度改革法(オバマケア)を改廃する法案の採決を断念しました、可決に必要な票を確保できなかったことで、トランプ政権の今後の政策実行力を疑問視する声が高まり、ドル円は再び110円台半ばまで売られる展開になりました。

オバマケアの撤廃と、それに代わるヘルスケア案を決めることがトランプ氏にとっても最優先課題だっただけに、最後の段階で取り下げたことが、インフラ投資や減税問題も先送りになるのではとの懸念も生じており、これが市場のセンチメントを悪化させている状況です。就任2カ月にして最優先課題でつまずきを見せたことで、トランプ氏に対する期待は急速に低下しており、トランプ相場も曲がり角に差し掛かった印象です。

ただ、先週末のNY株式市場ではヘルスケア法案の採決を断念したことで株価の下落に歯止めがかかり、引けに掛けては値を戻しています。一部には「トランプ大統領と議会はこれから経済成長策の方に軸足を移すと見られ、その中核は税制改革だ」との意見もあるようです。(ブルームバーグ)NYダウは直近高値から500ドル以上も下落しており、トランプ効果も徐々に色あせてきています。振り返ってみれば、減税改革については「驚くべき内容」とぶちあげたのが2月9日でした。その後、「まもなく明らかになるだろう」とのツイートは1度ありましたが、いまだにその内容は発表されないまま、2カ月になろうとしています。ドル円の118円台半ばや、ダウの2万1100ドル台は、結局市場の先走りだったのでしょうか。

ドル円は先週、110円台半ばを3回試しまたが、結局抜け切れなくて押し戻されてきました。今朝も同じように、同レベルを試しています。下値が110円半ばと上値は111円半ばのレンジが続いていますが、市場のセンチメントは上で述べたように、トランプ相場への期待の低下から下値を試す流れに傾いています。チャートでは「週足」で、雲に入って来ました。「200週線」が110円台前半にあるため、仮に110円台半ばが抜けたら、このレベルあたりから下値がサポートになろうかと思います。昨年11月からのトランプラリーの半値戻しも、109円93銭と導き出されることもあり、110円前後は非常に重要な水準です。

本日の予想レンジは110円~111円20銭程度にしたいと思います。日本株も軟調な展開が予想され、株安、ドル安が同時に進む可能性があるかもしれません。

【外為オンライン シニアアナリスト 佐藤正和の情報コンテンツはこちら】

【外為オンライン シニアアナリスト:佐藤正和】 邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。 インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。 通算20年以上、為替の世界に携わっている。
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