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ドル円続落し111円台半ばに

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<ひと目で分かる昨晩の動き>

【NY市場】
ドル円は約4カ月ぶりとなる111円55銭まで下落。トランプ政権の政策見通しが不透明なことを背景に、株価が急落。長期金利も低下したことでドル売りが強まった。

ユーロドルも1.0819近辺まで続伸し、1カ月半ぶりのユーロ高を記録。フランス大統領選で極右のルペン氏の支持率が下がったこともユーロ買いにつながった。

株価は大幅に続落。北朝鮮が核ミサイルプログラムを加速させるとの報道も嫌気されダウは237ドル安。昨年11月の大統領選後で最大の下落。

債券相場は続伸。株価の大幅安から安全資産の債券に資金が向かった。長期金利は2.41%台まで低下。

ドルが売られたことで金は続伸。原油価格は米在庫増加の見通しから4日続落し47ドル台に。

ドル/円111.55 ~ 112.69

ユーロ/ドル1.0793~ 1.0819

ユーロ/円120.61~ 121.67

NYダウ  -237.85 → 20,668.01ドル

GOLD +12.50 →1,246.50ドル

WTI   -0.88 → 47.34ドル

米10年国債  -0.043 → 2.418%

【本日の注目イベント】
日   2月貿易収支
日   日銀金融政策決定会合、議事要旨(1月30日、31日分)
米   1月FHFA住宅価格指数
米   2月中古住宅販売件数

ドル円はNY市場で111円55銭まで売られ、再び重要なサポートレベルまで下落して来ました。決定的なドル売り材料があったわけでもなく、北朝鮮で核ミサイルの開発が加速するとの報道はあったものの、結局はトランプ政権の財政面での刺激策が行き詰まる可能性があるとの見方が広がったことが背景です。

好調だった株価も、昨日はダウが237ドル下げ、その他の主要株価指数も大幅に下落しています。昨日の下げは昨年11月のトランプラリーでは最大の下げになっています。リスク資産の株が売られたことから円が買われ、ドル円はテクニカル上でも重要な位置に来ています。

今年に入って何度も下値を試しましたが、111円50-70銭のレベルでは全て跳ね返されていました。昨日のNYでも同じように111円55銭で一旦は下げ止まっています。ここには「日足」の120日線があり、この120日線を明確に下回れば、ヘッジファンドなどが売りで攻めるとも言われています。

さらにこの近辺には「週足」の雲の上限もあります。この上限を割り込んで雲の中に入ると、200日線が110円近辺にあることからこのレベルが再び次の重要なサポートになる可能性があります。さすがに「週足」のこの雲は相当厚いため、この雲を下抜けするのは簡単ではないと思われます。

本コメント執筆時にも111円43銭あたりまでドル安が進み、NY市場でのドルの安値を下回って来ています。NYダウが237ドル下げたことで、本日の日経平均株価も大幅な下げは避けられない状況です。1万9000円の大台を割りむとすれば、前日比で450円以上の下げになる計算ですが、どうでしょうか。

下値のめどは111円ということになりそうですが、この欄でも何度も述べているように、ユーロドルも1.08台までドル安が進んでいます。さらに上昇して、1.10を目指すようだと、ドル円も110円を目指すことになるかもしれませんが、その水準はドルを一旦は拾ってもいい水準だと思います。トランプ政権の良い部分だけが強調されて101円台から118円台まで買われたドルでしたが、ここにきて、反対に悪い部分に焦点が当たってきた印象です。ただまだ判断を下す段階ではありません。景気刺激策の規模については議会の議論を経る必要があり、ここを見極めたいと思うからです。

本日のレンジは111円~112円程度と予想します。

【外為オンライン シニアアナリスト 佐藤正和の情報コンテンツはこちら】

【外為オンライン シニアアナリスト:佐藤正和】 邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。 インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。 通算20年以上、為替の世界に携わっている。
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