NY為替市場は、ユーロが主要国通貨に対して上値の重い動きとなった。ロンドン序盤に発表された独11月製造業受注の悪化がユーロ売りのきっかけとなり、また、独大連立協議の行方を見極めたいとして、ロングポジションを減らす売りも出たもよう。ユーロドルは1.1956ドル、ユーロ円が135.13円まで弱含み、ユーロポンドも0.88ポンド前半に水準を下げた。ドル円は小幅なレンジながら、ユーロ円の下落に引きずられ112円後半まで下押しした。しかし、米10年債利回りが2.48%台まで上昇すると、ドル円も再び113円前半まで回復した。
本日の東京タイム為替市場では、ドル円は昨日同様に112円後半から113円近辺が底堅くなるか。昨日は、ユーロ円や豪ドル円などの調整売りに、ドル円も弱含む場面はあったが、米10年債利回りが下げ渋ったことで、ドル円の下値も限定的となった。米株式市場では、ダウ平均がマイナスで引けたものの下落幅はわずかであり、こちらも調整の域を出ていない。米債券や株式市場の動きは、ドル売りにはつながりにくそうだ。
朝鮮半島情勢に目を向けると、本日は、韓国と北朝鮮が南北閣僚級会談を開く。主な議題は、北朝鮮の韓国・平昌冬季五輪への参加についてのもよう。北朝鮮が冬季オリンピックに参加するようであれば、少なくともオリンピック期間中に北朝鮮は挑発行動をとらないと思われる。会談では、軍事的な緊張の緩和策なども話し合われる見通しだ。加えて、先週末にはトランプ米大統領が、北朝鮮の金労働党委員長との対話の可能性を、条件付ながらも示唆した。朝鮮半島を巡る地政学リスクが後退すれば、リスク選好地合いが強まり、クロス円の底堅さがドル円を下支えする要因となるだろう。
現在観測されるドル円のオーダー状況をみると、113円半ばは依然として売りがしっかりとしているが、同水準にストップロスの買いオーダーも置かれ始めている。112円台は、昨日の安値下に損切りのオーダーはみられるが、基本的には買いが優勢。本日は、112円後半から113円半ばのレンジを中心とした動きとなりそうだ。

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