先週金曜日のNY為替市場は、ドル円が112円後半から111.41円まで急落する場面があった。きっかけは、フリン前米大統領補佐官が「ロシアとの接触をトランプ米大統領に指示された」と証言する用意があるとの報道で、米政権巡るロシアゲートへの疑惑が高まったことだった。ダウ平均も一時350ドル安まで売られ、2.42%台まで上昇していた米10年債利回りが2.31%台まで低下した。NY午後から引けてかけては、米税制改革法案への期待感から株が買い戻され、長期債利回りは下げ止まり、ドル円は112円前半まで回復した。
ユーロドルは1.18ドル半ばから1.19ドル前半で取引され、ポンドドルが1.35ドル前半で伸び悩み1.34ドル半ばまで押し戻された。良好な加経済指標結果を受けて、加ドルは高騰。ドル/加ドルは1.28加ドル後半から1.26加ドル後半まで、加ドル円が87円前半から88円半ばまでの加ドル買いとなった。
週明けの東京為替市場は、週末に米上院で採決された税制改革法案への期待感から、ドル円は底堅い動きとなりそうだ。既にオセアニア市場では、NY引けより高い112円半ばでオープンし、先週高値を上抜けて113円近辺まで上昇した。米税制法案は下院と上院で実施時期などに違いがあり、今後も調整作業が難航する可能性はある。しかし、法人税を35%から20%へ引き下げや海外子会社からの配当課税廃止などは両院で一致していることで、米経済の押し上げ要因・ドルポジティブの見方は変わらずか。本日は、ドル円の先週引けの水準112円前半が底堅くなりそうだ。一方で、トランプ米政権を巡るロシアゲート疑惑や北朝鮮に対する地政学リスクなど、ドルの重しとなる要因は残る。まずは、上昇中の日足一目均衡表・雲の上限が位置する113円前半をこなせるかがポイントか。
現在観測されるオーダー状況は、113円に売りがしっかりあるものの、同水準を超えたところにストップロスの買い。113円半ばから114円前半にかけては売りが優勢となっている。下サイドは、112.00円に大きめなオプションが観測されるほかは、111円半ばの買いまでは目立ったものはみられない。
欧州時間には、メイ英首相とユンケル欧州委員長の会談が予定されている。英・EU離脱交渉の進展期待でこのところ底堅いポンドが、さらに動意付くきっかけとなるかに注目したい。

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