昨日のNY為替市場では、投資家のリスクオフ姿勢の後退による円安の流れが継続した。米株、米長期債利回りが上昇するなか、ドル円は110.25円まで買われた。ユーロ円が2016年2月以来の高値131.90円、豪ドル円は88.48円、NZドル円が80.37円まで上値を伸ばした。市場予想を上回った英8月消費者物価指数の結果を受けて、ポンドドルは1.3298ドル、ポンド円が146.54円まで上昇した。
本日の東京為替市場では、北朝鮮情勢や米の大型ハリケーンに対する緊迫感の緩和によるリスク回避姿勢の後退=円売りの流れは続きそうだ。ドル円が8月半ばの高値110円後半、ユーロ円は2016年1月高値132.30円近辺などが上値のめどとなるか。また、日足一目均衡表・雲の上限を上抜けた豪ドル円やポンド円などの下値も堅そうだ。ただし、国連の安全保障理事会が北朝鮮に科す追加制裁を採択したことについて、北朝鮮はより態度を硬化させ、10月10日の朝鮮労働党創建72周年記念日に向けて新たな挑発行動を取る可能性は残る。そのため、円売り一辺倒とはなりにくいか。
地政学リスクが落ち着いたことで、市場の目は週後半の米経済指標に移っていきそうだ。明日14日が米8月消費者物価指数、15日には同小売売上高や鉱工業生産、9月ミシガン大学消費者信頼感指数などが発表される。米の年内追加利上げ観測は後退したままであり、米10年債利回りが上昇したとはいえ、7月初旬の2.39%台に比べると依然として低い水準にある。今後、ドルをさらに買い上げるにはドル金利が上向かない限りは難しいと思われ、そういった意味でも米の経済指標が注目となるだろう。
現在のドル円のオーダー状況は、110円半ばが売り、111.00円近辺には厚い売り、110.00円には15日NYカットのオプションが観測される。本日のドル円は109円後半から110円後半のレンジを予想する。

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