NYタイムの為替市場は、リスクオフの円高が優勢となった。トランプ政権への不安を背景に米株が大幅下落し、米10年債利回りも2.18%近辺まで低下。ドル円は109.45円まで弱含んだ。クロス円も全面安となり、ユーロ円は128.37円、ポンド円が140.86円、豪ドル円は86.34円、NZドル円が79.74円、加ドル円は86.36円まで安値を更新した。
欧州中央銀行(ECB)議事要旨でユーロ高への懸念が示され、ロンドンタイムに1.1662ドルまで下落したユーロドルは1.17ドル前半に持ち直した。
本日の東京タイムでは、海外の株安を引き継ぎアジアの株式市場も軟調な動きが予想され、そうなれば為替市場ではリスク回避の円買いが強まるか。投資家の不安心理を表すVIX指数は15.55と、前日11.74から大幅に上昇した。スペイン・バルセロナでバンが群衆に突っ込んだテロ事件も、地合いの悪いなかで投資家の心理をさらに弱気にしている。また、中国や北朝鮮の中止要請にもかかわらず、米韓合同軍事演習は来週から朝鮮半島で実施される予定。これが北朝鮮を刺激し、ミサイル発射の懸念が再浮上となれば、ドル円・クロス円の重しになりそうだ。  米利上げペースが鈍化しそうなことも、ドル円にとっては売り要因。昨日は、カプラン米ダラス連銀総裁が「追加利上げは忍耐強さが必要」、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁が「利上げに緊迫性はない」と述べた。12月のFOMC利上げに対して、FF金利織り込み度(8月17日現在)は前日の約35%から約29%まで低下している。
オーダー状況は、NY午後時点で109.00円と108.70円付近には厚めの買いが観測されていたが、本日は109円後半が重そうで、まずは先週安値の108円後半を目指す展開を予想する。また、欧州中央銀行(ECB)議事要旨でユーロ高への懸念が示されたことで、ユーロ円の下サイドへの動きも要警戒か。

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