NY為替市場のドル円は、5月2-3日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録でのインフレについての慎重な見方を材料に、米10年債利回りが2.24%台まで低下したことで、112.13円から111.48円まで下落した。ユーロドルは1.1220ドル、豪ドル/ドルは0.7508ドル、NZドル/ドルは0.7059ドル、ポンドドルも1.29ドル後半まで上昇した。
本日の東京市場のドル円は、5月2-3日のFOMC議事録で米インフレ率への警戒感が示されたことで伸び悩む展開を予想する。5月のFOMC議事録では、6月のFOMCでの追加利上げ観測が高まっている中、弱い米国経済指標とインフレ率の軟化への警戒感が示された。米国のインフレ率は、米連邦準備制度理事会(FRB)のインフレ目標2.0%に対して、2月は+1.8%、3月は+1.6%と低下傾向にあり、5月30日に発表予定の4月のインフレ率は+1.5%への低下が見込まれている。米国のインフレ率の低迷は、3月のFOMCでの追加利上げの際に、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁が利上げ反対理由として挙げていたものである。もし、4月の米インフレ率が予想通りに+1.5%程度に留まった場合、6月13-14日のFOMCでの追加利上げ観測は後退することでドルの上値を抑える要因となる。また、トランプ米大統領のロシアゲート疑惑や朝鮮半島情勢への警戒感などもドルの上値を抑える要因となる。しかしながら、110円台では本邦機関投資家によるドル買い意欲が観測されていることで下値も限定的か。
朝鮮半島情勢では、北朝鮮が一帯一路サミットの開催に合わせてミサイル発射実験を断行したことで、26-27日のG7首脳会談に合わせてミサイル発射を断行する可能性が警戒されている。また、26日の新月には日米首脳会談が予定されており、2月の日米首脳会談時もミサイル発射実験が断行されていることで、週末のミサイル発射の可能性に要警戒か。
ドル売りオーダーは、現時点では112.50円、113.00円、ドル買いオーダーは、111.00円、110.20円、110.00円に観測されている。
ユーロドルは、メルケル独首相やショイブレ独財務相によるユーロ高容認発言、6月の欧州中央銀行(ECB)理事会でのフォワードガイダンス変更観測から底堅い展開だが、6月のフランス国民議会選挙への警戒感から上値は限定的か。

Euro vs US Dollar (FX:EURUSD)
FXチャート
から 3 2024 まで 4 2024 Euro vs US Dollarのチャートをもっと見るにはこちらをクリック
Euro vs US Dollar (FX:EURUSD)
FXチャート
から 4 2023 まで 4 2024 Euro vs US Dollarのチャートをもっと見るにはこちらをクリック