以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家株番長氏(ブログ「株番長の注目銘柄」)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。<br/><br/>----<br/><br/>※2017年5月15日18時に執筆<br/><br/>フランス大統領選の決選投票では、極右政党「国民戦線」のルペン氏を破って、中道のマクロン氏が当選を果たした。マクロン氏はフランスとEUとの関係を強化する方針を示して当選したことから、ひとまずヨーロッパ情勢は安定することとなりそうだ。<br/><br/>■EU崩壊の危機は後退<br/><br/>マクロン氏はフランスとEUの関係強化を掲げて当選した。マクロン氏の得票率は約3分の2となっており、フランス国民からEU残留への高い支持を受けたことになる。EUをめぐっては2016年にイギリス国民投票で離脱派が勝利した背景もあり、波乱が懸念されていた。<br/><br/>フランス大統領選でマクロン氏が勝利したことにより、EU崩壊の危機は後退したと言える。実際、為替レートを見ても、多くのEU諸国で利用できるユーロ相場が上昇した。ユーロ高はEUの将来が安定化することへの期待の表れである。ただ、マクロン氏はまだ30代と若く、大統領としての手腕が今後問われることになる。<br/><br/>ただし、大勝したとはいえ投票率は低く、極右のルペン氏を避ける形でやむを得ず投票したフランス国民も少なくないとされている。マクロン氏がリーダーシップを発揮できるかどうか、今後も注視する必要がある。<br/><br/>■世界的な右派台頭懸念も和らぐ<br/><br/>フランス大統領選でマクロン氏に敗れたルペン氏は、極右政党の党首であった。そのため、もしルペン氏が勝利すれば世界的な右派台頭懸念が高まることとなっていた。世界を見渡すとイギリスでEU離脱派が勝利し、アメリカでは過激な発言を繰り返したトランプ氏が大統領に就任するなど、既存政治に対する市民の不満や変革を期待する声は大きいようだ。<br/><br/>そのため、極右といった極端な主張でも大衆の不満を吸い上げれば、重要な選挙においても勝利を収めやすい世論になりつつある。今回、フランスでマクロン氏がルペン氏を大差で破ったことにより、大衆の不満をあおることで極右勢力が台頭することには一定の歯止めがかかったと言えよう。<br/><br/>ヨーロッパにおける地政学リスクが後退したことは、中東や北朝鮮をめぐる情勢への悪影響を防ぐ効果もある。世界情勢が安定すれば、マクロン関連銘柄を中心に幅広い銘柄に資金が流入する可能性がある。<br/><br/>■マクロン関連銘柄が注目されている理由とは?<br/><br/>マクロン氏は事前の世論調査で、ルペン氏よりも支持率が高いと報じられていた。そのため、マクロン氏が勝利すること自体は予想通りだったと言える。しかし、昨年はイギリスのEU離脱の是非を問う選挙とアメリカ大統領選という2つの大きな選挙で、事前の世論調査とは異なる結果になった。、そのため、市場ではルペン氏が勝利する可能性を排除しきれず、疑心暗鬼の投資家が少なくなかった。<br/><br/>実際、マクロン氏優勢が伝えられても相場は安定するどころか、北朝鮮情勢などを懸念して停滞あるいは下落気味であった。結果として世論調査通りながら、マクロン氏勝利の報を受けて投資家のリスク選好が進んでいる。EU安定により地政学リスクが後退したヨーロッパでは景気に追い風が吹くことになりそうだ。ヨーロッパでのビジネス展開を活発に行うマクロン関連銘柄への資金流入が期待される。<br/><br/>■マクロン関連銘柄<br/><br/><6141>DMG森精機<br/>ドイツのDMGとの連結決算のため、ヨーロッパ景気の影響を受けやすい。工作機械メーカーのDMG森精機は国内外で生産を行っているが、為替の影響を一定程度受ける。マクロン氏勝利を受けてヨーロッパ情勢と為替情勢が安定化すれば、二重の恩恵を受けられるとみている。<br/><br/><4902>コニカミノルタ<br/>複合機ビジネスに取り組む企業だ。売り上げの海外比率は高く、海外経済の動向が業績を大きく左右する。ユーロ高になれば業績に好影響が及ぶため、マクロン氏勝利によりEUの結束が固まり、ユーロ高となれば追い風だろう。<br/><br/><7261>マツダ<br/>広島県に本社を置く日本の自動車メーカーである。国内販売台数も決して少なくないが、海外でのビジネス展開に積極的である。トランプ大統領の政策によりアメリカ向け輸出の先行きが不透明な中、マクロン大統領誕生でヨーロッパ市場が安定すればマツダにとってメリットがあるだろう。<br/><br/>■まとめ<br/><br/>マクロン氏は世論調査通りの勝利となったが、極右台頭を懸念する市場を安心させた。停滞していた相場が再び上昇する可能性があり、欧州向け比率が高いマクロン関連銘柄には特に注目したい。<br/><br/>その他にも、注目銘柄ブログで注目テーマ株、個人的に注目している個別銘柄情報を幅広く紹介している。トランプ関連銘柄、フィンテック関連銘柄、VR関連銘柄、ドローン関連銘柄、自動運転車関連銘柄、IoT関連銘柄、人工知能関連銘柄、などに関する情報も日々更新しているので是非チェックくれ!検索サイトで「株番長の注目銘柄」と検索してもらえればブログが読めるぞ。<br/><br/>------<br/><br/>執筆者名:株番長<br/>ブログ名:株番長の注目銘柄<br/><br/><br/>

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