先週の新興市場は、買い戻しに伴う短期的な反発を挟みつつも、調整局面が続いた。引き続き北朝鮮や中東情勢を巡る地政学リスクの高まりなどから円高・株安が進み、新興市場でもリスク回避ムードを背景に積極的な買いは手控えられた。ここまで人気だった防衛関連銘柄が週末にかけて急反落する一方、一部のテーマ株・材料株には循環物色の動きが見られたものの、物色は広がりを欠いた。なお、週間の騰落率は、日経平均が-1.8%であったのに対して、マザーズ指数は-5.3%、日経ジャスダック平均は-2.6%だった。マザーズ指数は週後半にかけて節目の1000ptを下回って推移した。<br/><br/>個別では、ミクシィ<2121>が週間で3.0%安、サイバーダイン<7779>が同5.1%安、そーせいグループ<4565>が同6.2%安とマザーズ時価総額上位は全般軟調だった。また、売買代金上位でもジーエヌアイグループ<2160>やアスカネット<2438>などがさえず、直近IPO銘柄のテモナ<3985>やファイズ<9325>、従前に人気だったディー・ディー・エス<3782>が週間のマザーズ下落率上位に顔を出した。反面、ソレイジア・ファーマ<4597>、トレンダーズ<6069>などが買われ、サイバーステップ<3810>やメドレックス<4586>が上昇率上位となった。ジャスダック主力では、日本マクドナルドHD<2702>が同1.7%高、セリア<2782>が同1.0%高と堅調だったものの、エン・ジャパン<4849>が同7.2%安、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同8.9%安と総じて軟調だった。売買代金上位ではアエリア<3758>が強いリバウンドを見せ、細谷火工<4274>や興研<7963>といった防衛関連銘柄も週半ばまで人気だった。また、オービス<7827>の人気が続き、週間のジャスダック上昇率トップとなった。一方、ウェッジHD<2388>やアール・エス・シー<4664>は大きく売られた。IPOでは4月10日に東証2部へ上場したウェーブロックHD<7940>、12日に東証1部へ上場したLIXILビバ<3564>ともに公開価格を下回る初値となった。ただ、LIXILビバはその後堅調に推移している。<br/><br/>今週の新興市場では、引き続き不安定な相場展開を想定しておきたい。4月23日に第1回投票が行われるフランス大統領選挙も迫り、依然として外部環境の不透明感が相場全体の重しとなりそうだ。ただ、ここまで急ピッチの調整が続いただけに、自律反発の動きも見られるだろう。<br/><br/>前週末にGunosy<6047>やメタップス<6172>などが決算発表を行い、12-2月期決算はおおむね出揃った。週明けはこれらの決算を受けた物色が中心となるだろうが、市場の関心は次第に1-3月期決算へと向かうだろう。好業績銘柄を中心に押し目買いも視野に入れておきたい。今週は4月21日にベクター<2656>、モバイルファクトリー<3912>などが決算発表を予定している。主力の位置情報連動型ゲームが好調なモバイルファクトリーは第1四半期の決算発表となる。<br/><br/>IPO関連では、4月18日に旅工房<6548>がマザーズへ新規上場する。当初こそオンライン旅行会社のマザーズ小型案件として高い人気を見せていたが、足元で地政学リスクの高まりが不安材料との見方が広がりつつある。なお、25日上場のアセンテック<3565>は13日までブックビルディング期間だったが、需要の積み上がりは順調と観測とされている。公開価格は仮条件の上限で決定した。<br/><br/><br/>

<FA>