先週の新興市場では、米国の政権運営に対する先行き懸念から金利低下や円高に連れて日経平均が軟調となるなか、マザーズ指数や日経ジャスダック平均はもみ合いが続いた。足元で需給が悪化したマザーズ銘柄が目立ち、このところのIPOラッシュで新規上場銘柄に資金が向かった。しかし、個人投資家の中小型株に対する物色意欲は根強く、下支えとなったようだ。なお、週間の騰落率は、日経平均が-1.3%であったのに対して、マザーズ指数は+1.6%、日経ジャスダック平均は+0.4%だった。<br/><br/>個別では、マザーズ時価総額上位のミクシィ<2121>が週間で2.0%高、そーせいグループ<4565>が同3.3%高と堅調だった。そーせいグループはマザーズ上場継続を発表しているが、節目の10000円を前に下げ渋った。売買代金上位では、空中ディスプレイを本格海外展開するアスカネット<2438>、本人認証セキュリティの採用実績を公表したディー・ディー・エス<3782>などが大幅高となり、ビーグリー<3981>、ジャパンエレベーターサービスHD<6544>などの直近IPO銘柄にも物色が向かった。反面、中期経営計画を公表したエナリス<6079>や、カナミックネットワーク<3939>などのテーマ株の一角が売られた。ジャスダック主力では、セリア<2782>が同9.0%高、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同5.6%高と堅調だった。また、ケアサービス<2425>は中国での事業拡大が材料視され連日のストップ高となった。一方、信用規制が強化されたアエリア<3758>や、前週上場したほぼ日<3560>などは利益確定売り優勢だった。IPOでは7社が新規上場したが、このうちフルテック<6546>とオロ<3983>が公開価格の2倍、インターネットインフィニティー<6545>と力の源HD<3561>が同3倍を超える高い初値を付けた。ラーメン店「一風堂」を展開する力の源HDなどはセカンダリーでも活況を見せた。再上場で注目されたマクロミル<3978>は公開価格を下回る初値形成となった。<br/><br/>今週の新興市場では、IPOラッシュが続くだけにマザーズ指数、日経ジャスダック平均はもみ合いが続きそうだ。外部環境にも不透明感が残るものの、前述のとおり個人投資家の中小型株に対する物色意欲は依然強く、需給面の重しがない直近IPO銘柄や個別材料株を中心に売買は活発となるだろう。<br/><br/>今週は3月30日に夢の街創造委員会<2484>、ストライク<6196>、マルマエ<6264>、31日にメディカルネット<3645>、USEN<4842>などが決算発表を予定している。上期決算を発表する夢の街創造委員会は第1四半期が好調な出足だった。ストライクは既に上期業績を上方修正しており、通期予想の動向が注目される。また、4月1日に開業予定の「レゴランド・ジャパン」に対する関心が高まっており、関連銘柄とされる明豊ファシリティワークス<1717>などの動向に注目したい。<br/><br/>IPO関連では、3月30日のスシローグローバルHD<3563>など7社が新規上場を予定している。スシローグローバルHDは回転ずし国内最大手として注目される一方、公開規模が700億円を超える大型案件のため警戒ムードもあるようだ。公開価格は仮条件の下限で決定した。その他では、同じく30日上場のユーザーローカル<3984>などの初値期待が高いもよう。なお、先週はアセンテック<3565>(4月25日、マザーズ)の新規上場が発表されている。<br/><br/><br/>

<FA>