東京市場は小じっかりか。連邦公開市場委員会(FOMC)において予想通り政策金利が0.25%引き上げられ、年内の利上げ見通しがこれまでと同様3回にとどまったことが米国株式市場に安心感を与えた。ただ、金利見通しがハト派的と受け止められ、米長期金利が急低下しドル売りにつながったもよう。一方、NY原油先物は反発した。日本株にとっては焦点の絞りづらい1日となりそうだ。
オランダ下院選挙で与党勝利の可能性が高まったことで、次は昼ごろに発表される日銀金融政策決定会合の結果などが注目される。金融政策の変更はないだろうが、薄商いのなかで先物に仕掛けが入れば後場は動意付く公算が大きい。きのうは久しぶりに日銀によるETF買いが入っており、株価が下に緩む場面でも心理的な下支えとなる。

 ひとまず前場段階ではドル円相場が1ドル=113円台の円高を理由に、輸出主力株は手掛けづらい。金利低下で銀行や保険株は売り優勢のスタートだろう。考えられるのは、米長期金利低下によって新興国からの資金流出懸念が和らぐといった見方である。ブラジルボベスパ指数が相対的に大きく上昇していることや、NY原油先物の上昇を受け、商社株や鉱業株などの原油関連株への買い戻しが予想される。鉄鋼株などもセクター内で出遅れ感が強く、今月に入って最も下落しているため、米国市場の上昇が今後も続くとみるならば仕込み場だろう。
日経平均の予想レンジは19380円-19540円。上昇基調にある25日線(19361円)を下値で意識する公算が大きい。CME225先物は円建てが大証日中終値と比べて85円安の19365円、ドル建ては10円安の19440円で取引を終えた。