エスプール<2471>は、コールセンターや店頭販売支援業務等への人材アウトソーシングサービスと、ネット通販の発送代行等のロジスティクスアウトソーシングサービスが主力。第3の柱として障がい者雇用支援サービス(農園販売及び運営サービス)が急成長しており、主力3事業で連結売上高の84%を占める。今後の成長が見込まれる看護・介護・保育業界向け人材サービスや、外国人材サービスへの本格進出に向けた投資も進めている。<br/><br/>1月13日付で発表された2016年11月期の連結業績は、売上高で前期比27.1%増の9,236百万円、営業利益で同753.2%増の507百万円と過去最高業績を大幅に上回る好決算となった。人材アウトソーシングサービスや障がい者雇用支援サービスの成長に加えて、東京電力<9501>管内でのスマートメーター設置業務の収益性が大幅に改善したことが主因だ。人材アウトソーシングサービスでは、FD(フィールドデベロッパー)と呼ばれる現場常駐社員を増員し、派遣スタッフの定着率向上、顧客との関係強化に取り組んだことが売上増につながった。<br/><br/>2017年11月期は売上高で前期比17.2%増の10,824百万円、営業利益で同14.8%増の583百万円と2ケタ増収増益を見込む。人材アウトソーシングサービスや障がい者雇用支援サービスが引き続きけん引役となる。スマートメーター設置業務については、2017年度の受注がまだ確定していないため、計画には保守的に織り込んでいるようだ。半期ベースで見ると、先行投資が集中する上期は増収減益の計画となる。特に、第1四半期は農園販売の予定がないことに加え、新物流センターの立上げ費用も加わるため赤字スタートを想定している。<br/><br/>2018年に障がい者雇用促進法が改正され、企業の法定雇用率が現状の2.0%から2.4%に引き上げられる見込み。この改正により新たに約11.5万人の障がい者雇用が発生することになり、現状から2割増となる。このため、企業の障がい者雇用需要は今後、さらに拡大する見通しだ。同社はこうした成長機会を確実に取り込むべく、行政とも連携しながら障がい者雇用支援サービスの全国展開を進めていく方針だ。<br/><br/>同社は好業績を受けて、2017年11月期の1株当たり配当金を前期比8.0円増配の18.0円にすると発表した。配当政策としては、連結株主資本配当率で5%(当期配当金÷前期末の株主資本)を目安として、安定的な配当を継続していくことを基本方針としている。このため、今後も収益の拡大が続けば増配が期待される。<br/><br/>■Check Point<br/>・16/11期は大幅増収増益で着地<br/>・17/11期は売上高、営業利益、経常利益が連続で過去最高を更新する見込み<br/>・17/11期は8.0円増配の18.0円配を予定<br/><br/>(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)<br/><br/>

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