先週の新興市場では、石油輸出国機構(OPEC)総会での減産合意などを受けて日経平均が12月1日に終値ベースでの年初来高値を更新するなか、マザーズ指数は上値の重い展開だった。個人投資家の物色意欲は旺盛でテーマ株や直近IPO銘柄などが賑わったが、短期資金主導で逃げ足の速さも目立った。4日に実施されるイタリア国民投票への警戒感も強く、週末にかけて利益確定売りに押された。一方、ジャスダックでは循環物色の流れが続いた。なお、週間の騰落率は、日経平均が+0.2%であったのに対して、マザーズ指数は-0.5%、日経ジャスダック平均は+0.9%だった。<br/><br/>個別では、ミクシィ<2121>が週間で2.5%安、そーせいグループ<4565>が同0.4%安、サイバーダイン<7779>が同2.3%安とマザーズ時価総額上位は全般さえない。売買代金上位ではメタップス<6172>が再動意を見せたほか、イグニス<3689>は高値圏を維持した。WASHハウス<6537>などの直近IPO銘柄も循環的に買われた。また、新規抗がん剤の中国ライセンス契約締結が材料視されたオンコリスバイオファーマ<4588>が週間のマザーズ上昇率トップだった。一方でアクトコール<6064>やじげん<3679>などが売られた。ジャスダック主力では、セリア<2782>が同4.0%安、平田機工<6258>が同7.6%安と軟調だった。売買代金上位ではZMP<7316>関連のフューチャーベンチャーキャピタル<8462>やカジノ関連のインターライフHD<1418>などが買われた。また、フジプレアム<4237>やマルマン<7834>が大きく上昇する一方、決算がマイナス視されたトリケミカル研究所<4369>などが下落した。IPOでは、11月29日に3社が新規上場し、スタジオアタオ<3550>が公開価格を26%、JMC<5704>が89%上回る堅調な初値形成となった。また、エルテス<3967>は上場2日目に公開価格の約3.6倍となる初値を付けた。<br/><br/>今週の新興市場では、イタリア国民投票などのイベントを通過して資金流入に期待したいところだが、週初は海外市場の反応を睨みながらの展開となろう。注目のZMPなど12月IPOのブックビルディング期間ということもあり、マザーズ指数は目先もみ合いが続くと考えられる。ただ、12月13日から14日にかけて開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)通過後の年末相場が徐々に意識され、上昇機運が高まりそうだ。<br/><br/>今週は12月7日にメガネスーパー<3318>、8日に鎌倉新書<6184>、9日にベステラ<1433>、アスカネット<2438>、バルニバービ<3418>、モルフォ<3653>、アイリッジ<3917>などが決算発表を予定している。業績期待の高い鎌倉新書やバルニバービなどの動向が注目される。また、前週上場した3社に加え、WASHハウスやフィル・カンパニー<3267>といった直近IPO銘柄は事業拡大への期待などから市場の関心が高く、循環物色が続くだろう。<br/><br/>IPO関連では、12月7日にイントラスト<7191>がマザーズへ、8日にグッドコムアセット<3475>がジャスダックへ新規上場する。イントラストは家賃債務保証などの総合保証サービスを、グッドコムアセットは投資用マンションをそれぞれ展開しているが、足元のIPO人気に乗ってしっかりした初値形成となりそうだ。なお、日本取引所グループは16年のIPO企業数が84社になると発表した。12月には15社が上場を予定している。<br/><br/><br/>

<FA>