■ファーストブラザーズ<3454>の業績動向<br/><br/>(2)セグメント別の業績動向<br/><br/>投資運用事業は、売上高96百万円(前年同期比95.5%減)、売上総利益84百万円(同96.0%減)、営業損失15百万円(前年同期は1,934百万円の営業利益)。前年同期は多額のインセンティブフィーが計上されたのに対し、この上期にはインセンティブフィーの計上はなかったもよう。大型物件の取引価格は高値圏にあるとの市場認識から引続き積極的に売却を進め125億円分の物件を売却したにもかかわらず、インセンティブフィーが計上されなかったのは、レスキューAMにおける売却が多かったことや、ファンドの決算期のタイミング(物件売却時期とインセンティブフィー受領時期のずれ)などによるとみられる。物件取得に慎重姿勢で臨んだ結果、物件取得には至らず、アクイジションフィーの計上もなかった。すなわち、この上期のフィーの計上は、AMフィーとディスポジションフィーということになるが、ファンド投資家との守秘義務契約により、フィー収入の詳細な内訳は非開示。<br/><br/>一方、投資銀行事業は、売上高8,358百万円(前年同期比9.1倍)、売上総利益2,350百万円(同3.2倍)、営業利益2,052百万円(同3.2倍)。前年同期は物件売却がなかったのに対し、この上期は東京都港区や宮城県仙台市などに所在する数物件、7,131百万円を売却したため急伸した。売上総利益の内訳は、不動産売却16.9億円(前年同期はゼロ)、不動産賃貸4.4億円(前年同期比2.7億円増)、セイムボート投資利益2.7億円(同0.8億円減)、その他-0.6億円(前年同期は2.0億円)。バリューアップの成果と不動産投資市場の活況を背景に、売却益がけん引した。新規に賃貸不動産を119億円取得したことやバリューアップの進展から賃貸収入は順調に拡大し、安定収益による固定費(販管費から物件売買にかかる仲介手数料を除いたもの)カバー率は99%となった(前期は通期で約50%だった)。その他の赤字は、先述のVC投資に関わる評価損計上による。<br/><br/>VC投資先の破綻はあったものの、今後もVC投資は継続方針であり、2月には難聴者向けのスピーカーなどを手掛ける(株)サウンドファンへの投資を実行した。<br/><br/>(執筆:フィスコ客員アナリスト 堀部 吉胤)<br/><br/>

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