英国民投票を受けて世界的なリスク回避姿勢が強まっている。英国は欧州連合(EU)離脱に向けて他のEU加盟国との貿易協定等の見直しを進める予定だが、条件交渉の期限は2年間と長丁場で先行き懸念が強まる恐れがある。また、EU残留派が多数を占めるスコットランドでは英国からの独立を求める国民投票の再実施を計画するとの声も挙がっており、混乱を招きそうだ。27日に独のメルケル首相が、仏伊の首脳を招き協議を行うほか、28-29日はEU首脳陣が会合を開く予定で、今後の対応等について何らかの発表が行われるかが焦点となる。いずれにせよ前例のない事態であり、不透明感が強く、株式相場は暫く低迷する可能性があるだろう。

27-29日にかけてECBフォーラムが開催される。ドラギ総裁、イエレンFRB議長、カーニーイングランド銀行総裁が出席し、マイナス金利と英国のEU離脱を巡る影響について議論される見通しだ。26-28日には世界経済フォーラム(ダボス会議)が開催され、中国の李克強首相が同国経済について講演を行う予定で注目を集めるだろう。

経済指標は、1-3月期GDP確定値(28日)、6月消費者信頼感指数(28日)、5月個人所得・支出(29日)、6月シカゴ購買部協会景気指数(30日)、6月ISM製造業景況指数(1日)などの発表が控えている。ISM製造業景況指数は3か月連続で節目となる50を上回り、米製造業が回復軌道にあることが示されている。しかし、5月の鉱工業生産や設備稼働率は低調に推移しており、6月の製造業活動は後退した可能性が高い。

個別企業では、スポーツ用品のナイキ(28日)、種子メーカーのモンサント(29日)、半導体のマイクロン・テクノロジー(30日)などの決算発表が予定されている。ナイキは成長減速や競争激化への懸念から複数のアナリストが投資判断を引き下げたほか、スポーツ用品小売りのスポーツオーソリティが破産した影響もあり、株価は低調に推移しており注意が必要だ。

(Horiko Capital Management LLC)




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