景気指標悪くても「日本買い」

arai00
  • オーナー
  • 6902
  • 2012/9/12
日中足チャート: 日経平均株価指数長期チャート: 日経平均株価指数
日中足チャート長期チャート

ポジティブな記事を読んで気持ちを安らげましょう^^

 




 

景気指標悪くても「日本買い」 市場の皮算用
編集委員 前田昌孝

さえない経済指標の発表が相次いでいる。昨年10~12月期の実質国内総生産(GDP)成長率が前期比年率0.7%の伸びにとどまり、1月の経常収支の赤字額は1兆5890億円と過去最大を記録した。街角景気を示す景気ウオッチャー調査の現状判断指数も2カ月連続で低下した。消費税率の引き上げを控え、弱気論が広がりそうなのに、それでも東京株式市場では日経平均株価が1万5000円台を維持している。「日本買い」が続く理由が別にあるのかもしれない。

 

壇上で質問に答える古沢満宏財務官(米ニューヨークで6日開かれた日本証券サミットで)

壇上で質問に答える古沢満宏財務官(米ニューヨークで6日開かれた日本証券サミットで)

先週6日にニューヨークで開かれた日本証券サミット。2年目に入ったアベノミクスには海外投資家の間から「賞味期限切れ」との声も出るなかで、財務省の古沢満宏財務官らが積極的に構造改革を進めていく姿勢をアピールした。筆者もパネリストとして参加し、日本経済の将来の可能性などを訴えたが、約230人の来場者の関心も高く、会場からは日本が移民の積極的な受け入れに動く可能性や公的年金の運用改革など活発な質問が飛んだ。

 

セミナーが盛り上がったせいなのかどうかはわからないが、翌7日の日経平均は139円32銭高の1万5274円07銭と、昨年末終値の1万6291円から2月4日に付けた年初来安値1万4008円までの下げ幅の半値戻しに当たる1万5150円を上回った。売買代金の低迷ぶりを踏まえると、力強さはいまひとつ。それでも下げ幅の半値を戻したことで、チャート的には今後、2月4日の安値を改めて割る可能性がやや小さくなったといえる。

 

ただ、国内の経済指標をみると、本当にこれで日本経済が元気になるのか、疑いたくもなる。特に貿易収支に所得収支などを加えた経常収支は赤字転落が意識されるようになった。2007年には24兆9490億円の黒字だったのに、昨年には黒字幅が3兆3061億円まで縮小した。月次推移を見ると、1月には1兆5890億円の赤字と4カ月連続の赤字。1月は正月要因で赤字になりやすいことを割り引いて考えても、日本は早晩、年間で経常赤字に転じてもおかしくない。

 

もちろん経常収支の黒字幅が大きすぎるのは、いいことではない。理屈上、貯蓄から投資を引いた金額が経常収支の黒字だから、巨額の経常黒字は日本が貯蓄過多・投資不足であることを示している。家計はもともと貯蓄主体だが、最近は企業も設備投資などに消極的で、貯蓄超過になっていた。この企業のやる気のなさがデフレの長期化をもたらしていた。つまり、巨額の経常黒字とデフレとはコインの裏表と考えてよさそうだ。

 

かといって、ここにきての経常収支の黒字幅縮小を、企業にやる気が出てきた表れで、デフレ脱却のシグナルだと受け止めるのも、違和感がある。グラフのように経常収支の変動の多くは、貿易収支の変動がもたらしている。その貿易収支を原油や天然ガスなどの鉱物性燃料とそれ以外とに分けると、確かに09年を境に鉱物性燃料の収支の赤字幅も広がっているが、鉱物性燃料以外の収支の黒字幅も07年を境に減少基調をたどっている。

 

金額で示すと、07年には29兆9752億円の黒字だった鉱物性燃料以外の貿易収支が、13年には14兆4160億円の黒字へと、黒字幅が6年で半減した。月次の数字をみると、今年1月の鉱物性燃料以外の貿易収支は1414億円の赤字と手元に統計がある1996年以降では初の赤字になった。円安にもかかわらず輸出数量が伸びないことを指摘するエコノミストも多いが、鉱物性燃料を除く貿易収支が赤字になったという事実は、日本の輸出構造の変化を端的に示しているのかもしれない。

 

もう1つ気になるのは、消費税率の引き上げを4月に控え、駆け込み需要などが出ているはずなのに、景気ウオッチャー調査の現状判断指数が昨年12月の55.7から1月に54.7、2月に53.0と2カ月連続で低下したことだ。好不況の判断の分かれ目になる50を13カ月連続で上回ったとはいえ、グラフのようにこの指数と日経平均とは似た動きをしている。4月以降、50を維持できるかどうかは、株価を占ううえでも注目点だ。

 

経常収支にしても街角景気にしても今は一時的に停滞しているだけで、再び日本経済は力強さを取り戻すという見方もあろう。経常収支に関して言えば、95年4月に一時、1ドル=80円を超す円高になり、その後に円安に転じた局面では、Jカーブ効果が出て輸出が増勢に転じるまで約1年半がかかった。景気動向も97年4月の消費税率の引き上げ局面では、4~6月期のマイナス成長の後、7~9月期には早くもプラス成長に転じた。

 

しかし、最近の経済指標がいろいろな意味で日本経済の限界を示しているのだとすれば、突破口を切り開く決断は早晩、避けられなくなる。ニューヨークの日本証券サミットでも話題になったが、移民の受け入れに前向きになることも1つの選択肢だ。筆者が取材に赴いたブラックストーン・アドバイザリー・パートナーズの副会長、バイロン・ウィーン氏も「日本は近い将来、労働力不足に陥り、経済成長の足かせになる。より柔軟な移民政策の導入が望ましい」と話していた。

グラフのように、日本では在留外国人数を総人口で割った比率は1.6%にすぎない。経済協力開発機構(OECD)の「インターナショナル・マイグレーション・アウトルック2013」によると、総人口のうち外国生まれの人口の比率は、対象31カ国(グラフは主な国だけを掲載)のうち6カ国が20%以上、14カ国が10%台となっていて、日本の1.6%よりも低い国はメキシコの0.9%だけだ。

 

 

移民受け入れ問題はこれまでもさんざんに議論され、あまり進ちょくがないため、これからも大きく動かないという見方も強い。投資家を失望させる経済指標が相次いでいるのに、株価が何とか保っているのは、日銀が4月の金融政策決定会合で3月に見送った追加緩和に踏み切る可能性がささやかれているためだ。検討中の公的年金の運用改革が新たな日本株の買い需要につながるとの読みもある。

金融政策はしょせん時間を買っているだけだし、公的年金による株式買い増しも株価に与える効果は一時的にとどまろう。むしろ、経常赤字国への転落を目前にして、移民受け入れ、雇用規制の緩和、法人税率の引き下げなどこれまでほとんど手つかずだった問題が動き出すと世界の投資家はみているのではないか。1万5000円台の日経平均には、日本の問題解決能力の高さへの期待も込められていると思われる。

 

情報元:

マーケット反射鏡

http://www.nikkei.com/markets/column/hanshakyo.aspx

前田昌孝編集委員が一味違った切れ味で新しい視点を提示するコラム。随時更新していきます。



  • 2014年3月12日, 19:10
  • 2014年3月12日, 19:11

コメント

名無しさん

名無しさん

かといって、ここにきての経常収支の黒字幅縮小を、企業にやる気が出てきた表れで、デフレ脱却のシグナルだと受け止めるのも、違和感がある。グラフのように経常収支の変動の多くは、貿易収支の変動がもたらしている。その貿易収支を原油や天然ガスなどの鉱物性燃料とそれ以外とに分けると、確かに09年を境に鉱物性燃料の収支の赤字幅も広がっているが、鉱物性燃料以外の収支の黒字幅も07年を境に減少基調をたどっている。

  • 2015年10月21日, 01:17
銘柄
N225 19,197 -0.3%
日経平均株価指数
日経平均株価指数
日経平均株価指数
世界の指数
イタリア 0.1%
インド(ボンベイ) 0.0%
オランダ -0.2%
オーストラリア 0.1%
カナダ 0.5%
ギリシャ 0.8%
ドイツ -0.1%
フランス -0.1%
ブラジル 1.1%
ポルトガル -0.2%
ポーランド -0.4%
日本(日経平均株価) -0.3%
米国(ダウジョーンズ) -0.2%
米国(ナスダック) -0.0%
英国 -0.5%
値上がり率
7241 931 19.2%
6382 636 18.7%
3920 997 17.7%
9888 381 15.1%
3647 119 14.4%
3695 2,160 12.6%
6397 64.00 12.3%
6754 901 11.6%
4463 1,183 11.6%
7518 1,017 11.3%
最近閲覧した銘柄
NIK
NI225
日経平均株価
FX
USDJPY
ドル円
TSE
7203
トヨタ自動車
TSE
9984
ソフトバンク
TSE
9983
ファーストリテイリン..
ご覧いただいた銘柄が下記のボックス内に表示されますので、過去閲覧した銘柄情報に簡単にアクセスすることができます。

今すぐ無料会員登録し、カスタマイズ自由なご自身のモニターを作成しましょう。

ADVFNのサービスをご利用いただくには、 利用規約

P:34 V: D:20170429 01:31:46