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S&P 500®月例レポート(2014年7月配信) 6月の市場、21日中8日間は過去最高値を更新、 6四半期連続の上昇 

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                                                                     マーケット分析レポート

                                                                            S&P500

6月の市場はまたしても閑散とした、苛立たしい展開となりました。ところが、それまでの4カ月間同様、結果は良かったので苛立った分も報われました。日々の相場は相変わらず閑散としており、6月の出来高は、最近の平均出来高に比べて18%低くなっています。相場は閑散としていても安定していたため、トレーダーたちはご機嫌でした。S&P500は21日の取引日のうち、終値ベースで過去最高値を8回更新し、5カ月連続で上昇(1.91%)しました。その結果、第2四半期は4.69%上昇し、6四半期連続の上昇となりました。6四半期連続の上昇は1998年以来初めてでした。同指数は18カ月間で37.45%上昇しています。ペースがゆったりとしていて出来高が薄い分、日が長く感じられ、懸念も高まりました。イラクで石油施設の支配権をめぐる戦闘が続く中、石油株は上昇しました。原油価格は5月の103ドルから105ドルに上昇しましたが、概ね許容できる範囲で、同水準ではグローバル経済への影響も限定的でした。VIX恐怖指数は11.57と非常に低い水準で、過去の平均20.09のおよそ半分でした。今ある恐れと言えばせいぜい、市場に参加せずに潜在的利益を逃すのではないかという恐れぐらいだろう、というのが金融業界のジョークでした。また、株価評価に関する懸念や議論が高まりました。株価収益率(PER)は高過ぎで、市場は急速に上昇し過ぎたとの発言が増えました。多くの市場関係者はその意見に同意しているようでしたが、前向きの取引ばかりで、市場は上昇し続けました。直線的というよりも、3歩進んで2歩下がるという具合に、徐々に上昇しました。日中のスプレッドは概して、損益分岐点の上下に位置し、ボラティリティは高まったように見受けられました。ところが、市場は4月以来、1%以上上下することはなく、コミットメントの欠如に関して言えば、それをさらに上回る期間に及んでいるように見受けられます。2014年第1四半期の実質国内総生産(GDP、年率)確定値が前期比2.8%減と、過去5年の最低水準となったことは大した問題ではありませんでした。悪天候に見舞われた上、一つの四半期の話でしかないので、心配ご無用、第2四半期で挽回できる、という考え(あるいは「願い」と言った方が適切かもしれません)が主流でした。あと1週間も経てば始まる第2四半期の企業決算にはかなりの楽観論が織り込まれています。期待通りにいけば、出来高も膨らみ、株価も上昇する可能性がありますが、期待が外れた場合は、かなりの失望を誘い、誰もが予想していた例の株価調整のきっかけとなるかもしれません。

大型株を対象とするS&P500は6月も堅調でした。終値ベースで過去最高値を8回更新し、5カ月連続で上昇しました。幅広い銘柄が買われ、1.91%上昇(配当を含めて2.07%上昇)しました。第2四半期は4.69%上昇(配当を含めて5.23%上昇)し、年初来では6.05%上昇(配当を含めて7.14%上昇)しています。市場は閑散としていましたが、勢いと厚みはありました。2014年2月3日の低値からは12.54%上昇(配当を含めて13.57%上昇、年率で37.14%の上昇)し、上昇銘柄(458銘柄)が下落銘柄(41銘柄)を11対1の割合で上回りました。市場は幅広く上昇し、頭が重い展開も見られませんでした。10セクター中8セクターが上昇しました。電気通信サービスが1.27%下落し、生活必需品が0.53%下落しました。最も良好なパフォーマンスを示したのは4.93%上昇したエネルギーでした。原油価格の上昇や米政府が原油の輸出を一部解禁するとの報道が下支えとなりました。その他目立ったセクターは、6月は4.20%、年初来で16.42%上昇した公益事業です。上昇銘柄(359銘柄)が下落銘柄(140銘柄)を5対2の割合で上回り、市場の厚みは十分ありました。36銘柄は10%超上昇し、5銘柄が10%超下落しました。年初来ベースでも同様の厚みが見られました(363銘柄が上昇し、137銘柄が下落)。株価の変動幅は増し、全銘柄のうち35%が10%超上下しています(137銘柄が上昇し、38銘柄が下落しています)。注目すべき銘柄の一つは、厳しい業績見通しや店舗閉鎖の発表を受け、月間で16.0%、年初来で39.1%下落した高級革製品のCoach (COH)でした。業績が予想を下回り、業績見通しが芳しくないことが嫌気され、カジュアル・レストラン・チェーンのDarden Restaurants (DRI)は7.7%下落(年初来で14.9%下落)しました。軟調な決算発表を受け、アパレルのPVH (PVH)は11.4%下落(年初来で14.3%下落)しました。下落銘柄よりもよほど多かった上昇銘柄のうち、注目すべき銘柄として挙げられるのは、嚢胞性線維症(CF症)薬の試験結果が良好だったことを発表し、月間で31.0%、年初来で27.4%上昇した医薬品会社のVertex Pharmaceuticals (VRTX)です。Access Midstream Partnersの経営権を60億ドルで取得することで合意したパイプライン運営のWilliams Companies (WMB)は24.0%上昇(年初来で50.9%上昇)しました。

投資家が押さえておくべきポイント

  • ウクライナ情勢に代わってイラク情勢を主因として石油の供給懸念が続いたものの、原油価格は105.40ドルと小幅の上昇にとどまり、米国経済が十分に吸収できる範囲の上昇でした。また、米政府は原油の輸出を一部解禁します。
  • 何らかの調整があるだろうという向きが増える中、米国の大型株式市場は引き続き上昇しました。昨年も同じようなことが常に言われていましたが、いずれは現実となるでしょう。ファンドマネージャーやマネーマネージャーは、これまでの利益を守ることよりも、将来の利益を取り逃すことを心配しているようでした。恐れなしです。市場は5カ月連続で上昇し、2014年2月3日の低値からは12.54%上昇(配当を含めて13.57%上昇)しています。上昇銘柄(458銘柄)が下落銘柄(41銘柄)を11対1の割合で上回っています。S&P500は、年初来ベースで22回、終値ベースで過去最高値を更新しており、うち8回は6月に起きています(2013年は45回、その前の最高値更新は2007年でした)。
  • 恐れは必要ありません。VIX恐怖指数だって6月の終値は11.57でした(過去の平均は20.09)。恐れがない→評価が高まる→バブル→問題が起きる。

考えのメモ:

  • 2014年第1四半期は、企業が自社株買いで厳しかった業績に追い風を吹かせました。これは第1四半期に限ったことなのか、自社株買い(で株式数を減らす)という企業の新たなトレンドの始まりなのかが注目されます。
  • 設備投資は堅調ですが、新しい工場の建設などは今のところ見られません。企業が生産拡大に目を向けるにはまず、消費支出の拡大が必要となります。
  • 新たな管理体制の下、新たな可能性:失業率が6%割れとなり、FRB(米連邦準備制度理事会)の債券購入が終了した場合でもなお、FRBは利上げを待つのでしょうか。

基本統計:

  • 今年は金利が一層低下しており、米国10年債利回りは2.52%と、2013年末の3.03%を下回っています。
  • S&P500は、今年前半6.05%上昇(配当を含めて7.14%上昇)していますが、畏敬の念はどこにもないようです。2014年2月3日の低値からは12.54%上昇(配当を含めて13.57%上昇、年率で37.14%の上昇)しています。上昇銘柄が下落銘柄を11対1の割合で上回っています。2013年との違いは、(財政の崖から転落しなかった)2013年1月は5.04%上昇したのに対し、2014年1月は3.56%下落したことです。
  • S&P500はあと2.03%で2000ポイントの節目に到達することから、もうじき騒ぎが増え始めることでしょう。2000ポイントに到達するか、皆が待ち構えていた調整局面に入るかは、第2四半期の1株当たり利益(EPS)次第です。筆者はもちろん、節目到達に備えて、銘柄、セクター、株価収益率(PER)などの数字を準備しています。1998年のドンペリのボトルの埃も払いました。なお、1000ポイントに達したのは、1998年2月2日、100ポイントに達したのは、私が働き始めた1977年5月のことでした。
S&P500月例レポートでは、S&P500指数の値動きから米国マーケットの動向を解説します。市場全体のトレンドだけではなく、業種、さらには個別銘柄レベルでの分析を行い、米国マーケットの現状を掘り下げて説明します。 S&Pダウ・ジョーンズが提供する指数に関する詳細はこちらをご覧ください。 http://www.spindices.com/
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