第3次金融支援の条件となる改革案が、ギリシャ議会を足早に通過化したことから、8月20日期限の新合意に向けて、ボールは再びユーログループ側のコートに落とされた。これによって、ギリシャの財政危機を背景に、その再建を目途として協議されてきた構造改革案は、最終的に単純な方法論に落とし込まれる結果となった。従って、ユーログループ・サイドにおいては、ギリシャにおける構想改革の進展/履行が今後の評価対象であり、それは財務体質の改善(←本来の目的)に優先する課題となる。でも大丈夫。一連の危機を通じてその役割を肥大化させたECBを味方に付けたことで、ギリシャの改革は低金利、銀行資本の拡充、そして最終的に(2010年以来初めて)与信の拡大をもたらすことになる。もちろん、それは結果論であって、それを導き出す方法論が必ずしも正しかった、と言うことにはならない。
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