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ニュージーランドドルに影響を与える要因とは?

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ニュージーランド通貨はその利率の高さからキャリートレーダーに人気です。全通貨の取引数量的に見ると、人気の通貨は米ドル、ユーロ、続いて日本円となっています。 キウイドル(ニュージーランドドル)は出来高ベースで10番目に最も取引された通貨でした。因みに、10位以内の通貨は中国元、メキシコペソそしてカナダドル等があります。

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    取引高に関してNZDはそれなりの人気通貨と言えます。ではそのNZDはどの様に動いているのでしょうか?通常、NZDは雇用統計、消費者信頼感指数など政府より発表される指標を主な要因として変動しています。そこでニュージーランド経済を理解する上で大切な次の4つの指標は是非抑えて下さい。1.月間貿易収支、2.GDT 価格指数(乳製品国際入札価格) 3.月間観光者数そして 4.金利です。

 

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2008-2009年に世界的金融危機が生じた際、オーストラリア同様、ニュージーランドの他国通貨に対する「金利差」は、特にキャリートレードを主とするFXトレーダーを同国通貨に留まらせた一つの要因と挙げられます。そのキャリートレードにおける運用手法は多岐に渡るため、今回は多くは触れませんが少なくとも金利動向がニュージーランド経済にとって非常に重要なファクターである事は留めて頂ければと思います。

先に述べましたが、観光業はニュージーランドにおける雇用の10%に達します。興味深いところでは、短期滞在においてはオーストラリアが最もニュージーランドを訪れる重要な国として挙げられます。統計では、ニュージーランドに訪れる国第2位である中国の実に6倍のオーストラリア人が同国を毎年訪れています。
これら月間ベースで発表される指標はニュージーランドのGDPに直接的、間接的に影響するため為替市場にとっても注視すべき数値となります。分かりやすい例では、ニュージーランドの訪問者数/観光客数が予測を上回れば通貨上昇の一因となります。

国際乳製品価格全体の約30%を占めるGDT価格指数は最重要指標の一つとして考えられます。この指標はひと月に2回リリースされ、今日のコモディティ市場の貿易収支をいち早く読み解く上でも重要な材料と言えます。
そのGDT価格指数は、ニュージーランドのオークションで取引される9つの乳製品の加重平均にもとづいた乳製品価格の変化を表します。
結果にもよりますが、何らかのインパクトが通貨にもたらされるでしょう。一つの例として、以下は3/4日(水)付のロイターから送られてきたレポートの抜粋です。
“USD/NZDは0.7530から0.7550へ押し上げられた。その後フォンテラ(NZX:FCG)による乳製品のオークションの結果を受け更に押し上げられる事となった。GDT PI は1.1%上昇し、ホールミルクパウダーは(WMP)は1%の下落であった。”

 

 
GDT数値の発表はとても重要な材料なのですが発表時間が固定されていないため、例えば米雇用統計の様に指標発表時刻に備えたトレードというのは難しいのではないでしょうか。指標が発表されるまでは「暫定値」と表示されるのが通常です。

その他、乳製品産業にインパクトを与える要因としては生物学的な騒動が挙げられます。最近では1080(モノフルオロ酢酸ナトリウム/害虫駆除剤)を使用禁止にしなければ粉ミルクに毒物を混入するという脅迫がありました。また、2013年には粉ミルクからボツリヌス菌が検出されたとのスキャンダルが発生し、言うまでもなくニュージーランド産の牛が口蹄疫のウイルスに感染していると非難された時期もありました。結果として、これら生物学的な汚染騒動は全て誤報であった事が証明され、当然ながら家畜の殺処分も行われませんでした。しかしながら、このような騒動は即座に通貨や金利の下落を招き、また株式市場のセンチメントに弱材料として表面化します。

また国際貿易に大きく依存しているため、ニュージーランド経済を読み解く上で貿易収支の数字も非常に重要で、ご存知の通り、貿易収支は輸出額から輸入額を差し引いた値が示されています。外国勢としては支払いの際にNZDドルを購入する必要がある事から輸出と通貨の需要は密接にリンクしていると言えるでしょう。加え、輸出向けの需要は、国内製造業の生産と価格にも影響を与えます。

少し個人的な話になりますが、私は母国を離れた2000年初期より、トレードそして投資対象としてニュージーランドドルを見続けてきました。私なりに感じたのは、通貨には一定の周期性があるという事です。2000年初めから現在に至るまでNZドル/円は、2007年7月頃の高値97.54と2009年2月頃の安値45.58を上限下限として推移してきました。

仮にNZドル/円が0.65前後で推移していれば、私にとって理想的なレンジと感じています。その数値を下回るのであれば比較的まとまった資金を買い保有し、0.70台を超えている状況では、小額での買いスタンスでスキャルピング(日計り)やスイングトレードをする事も出来るのではと考えたりします。しかしながら、第2次安部内閣発足以来NZ0.65を下回る事は無く、私も一定額を超えるNZD/JPYのロングは控えているのが現状です。

 

グレン・ランバート(Glenn Lambert)。ADVFN営業課長。ニュージーランド出身。2002年に来日し、英国を本拠とするADVFNの日本法人でマネージャーして従事。ADVFNは、世界各国の金融情報をポータルサイトで提供。FX,株式などの分析ツールのほか、著名レポートも配信している。トレーダーが自由に書き込む掲示板も人気。

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