<ひと目で分かる昨晩の動き>
【NY市場】
ドル円は北朝鮮問題の緊張がやや緩和したことから上昇。
109円76銭までドルが買い戻された。NY連銀総裁が年内に
もう一度の利上げを支持するとの情報が伝わり、これもドル高に
作用した。
ユーロドルは反落。1.18台が徐々に重くなり、1,1770
まで売られる。来週ジャクソンホールでのドラギ総裁の講演
待ちの雰囲気。
株式市場は米朝の緊張緩和を受け大幅に続伸。ダウは
135ドル上昇し、再び2万2000ドルに迫る。
債券は反落。ティラーソン国務長官が北朝鮮との対話の
用意があると述べたことも材料に。長期金利は2.21%台へ上昇。
金と原油はともに反落。
ドル/円109.43~ 109.76
ユーロ/ドル1.1770~ 1.1802
ユーロ/円 128.92~ 129.38
NYダウ +135.39 → 21,993.71
GOLD -3.60 → 1290.40ドル
WTI -1.23 → 47.59ドル
米10年国債 +0.030 → 2.218%
【本日の注目イベント】
豪 RBA議事録
日 6月鉱工業生産(確定値)
独 独4-6月期GDP(速報値)
英 英7月物価統計
米 8月NY連銀製造業景気指数
米 7月小売売上高
米 8月NAHB住宅市場指数
ドル円は108円台に沈むことなく緩やかに反発しました。連休明けの東京市場
の反応に注目していましたが、日経平均株価が一時240円ほど下げたにもかか
わらずドルを買う動きが優勢でした。昨日の夕方には109円80銭までドルが
買われ、NYでも米朝の緊張がやや緩和したとの見方もあり、109円76銭ま
でドルが買い戻されています。
ティラーソン国務長官はウォール・ストリート・ジャーナルに寄稿し、「米国は
北朝鮮の体制転換にも南北統一の加速にも関心はない」と述べていますが、この
内容は従来からの考えを繰り返したものです。米国が依然として対話の糸口を模
索していることが確認できたことで、米朝の緊張がやや後退したと市場は見たよ
うです。
それでもまだ平常に戻るのは時間がかかり、警戒を解くわけにはいきません。
北朝鮮の国営新聞も昨日は「あとは命令が下るのを待つだけ」といった見出しの
論説を掲載しており、本日は祖国解放記念日にあたり、「Xデー」の一つと観ら
れています。このままにらみ合いが続くのか、あるいは急転直下「対話」の席が
設けられるのか、まだ予断は許さない状況です。
NY連銀のダドリー総裁はAP通信社とのインタビューで「金融当局が9月にバ
ランスシート縮小計画を発表するとの見方は不合理ではない」と述べ、さらに利
上げについても「年内もう一度の利上げを支持するだろう」と発言しました。
(ブルームバーグ)
今月に入ってからは、セントルイス連銀総裁のように、軟調なインフレ率を理由
に利上げには慎重な見方をする意見が多く、これがドル円を押し下げた原因の一
つにもなっていました。イエレン議長にも近いとみられるダドリー総裁のこの発
言は、今後のFOMCでもそれなりの存在感があるものと推測できます。
NYダウも昨日は135ドル上昇し、再び2万2000ドルを目指す状況です。
5日続落の日本株も、さすがに今日は反発すると予想していますが、それでも日
経平均株価の2万円は徐々に遠くなっています。「NISA」経由の資金も入っ
ているとの報道もありましたが、個人投資家にとって運用難は続きます。
本日のレンジは109円30銭~110円30銭程度を予想します。