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ドル円金利低下を受け111円台半ばまで下落

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<ひと目で分かる昨晩の動き>

【NY市場】
ドル円は112円を割り込み、約3週間ぶりとなる111円69銭までドル安が進む。オバマケアの代替案の議会通過を危ぶむ声が高まり、今後の政策の不透明感が広がった。ドル円はその後112円台に戻して引ける。

ドル安が進んだことからユーロドルは続伸。1年2カ月ぶりとなる1.1583までユーロ高が進む。

株式市場はまちまち。ダウは54ドル下落したものの、ナスダックとS&P500は最高値を更新。フェースブックなど、ハイテク株が買いを集めた。

債券相場は大幅に続伸。米国の金利政策が続いても、今後も低金利が続くとの見方が広がる。長期金利は2.3%台を割り込み、2.25%台まで低下。

金と原油はともに買われる。

7月NAHB住宅市場指数 → 64

ドル/円111.69~ 112.16

ユーロ/ドル1.1546~ 1.1583

ユーロ/円  129.25~ 129.69

NYダウ  -54.99 → 21,574.73

GOLD  +8、20→ 1241.90ドル

WTI +0.38 → 46.40ドル

米10年国債  -0.055 → 2.259%

【本日の注目イベント】
米  6月住宅着工件数
米  6月建設許可件数
米  米中経済対話
米  企業決算 → モルガンスタンレー、アメックス、アルコア

ドル円は6月30日以来となる111円69銭まで売られてきました。米長期金利が急低下し、2.25%まで下がってきたことで円が買われたようです。米金利は一時2.4%に近い水準まで上昇しましたが、ここ最近は8営業日のうち7営業日で低下(価格は上昇)しています。

昨日は2年間の猶予付きで医療保険制度改革法(オバマケア)を廃止する上院共和党指導部の新たな案が議会を通過しないのではないかとの懸念が広がり、これがトランプ政権が目指す一連の景気刺激策を遅らせるのではないかとの見方が強まりました。

ブルームバーグによると、昨日の米債券市場では大型ブロック取引が2件成立し、その後に金利低下が加速したと伝えています。この取引を行った投資家は、米金融当局者から出てくる発言内容にもかかわらず金利低下は長期間続くと予想しているとのことです。テクニカルでも、米長期金利は低下傾向が続いたことで200日移動平均線の2.27%を下回り、50日移動平均線の2.255%に接近していています。金利低下は上記理由に加えて、最近発表されたインフレ指標が市場予想を下回っており、当局が予定しているようには利上げが進まないのではないかとという見方も後押ししています。今後も米長期金利の上げ下げを受け、ドル円は、一喜一憂する展開が続きます。

ドル円は114円49銭を記録してから下落が続いています。大きくは110-115円のレンジの中での動きで、「マイナー・トレンド」の変化は観られますが、まだメイン・トレンドの発生は確認出来ていません。日足チャートでは111円台半ばから上方に200日線や120日線など、主要なサポート線が集まっており、この近辺が重要なサポートであることを示唆しています。
昨日の動きも111円69銭を付けた後、112円台まで反発していることから日足チャートでは「長い下ひげ」を示現しています。米長期金利が今後も下げ続けると、ドル円ももう一段の下げの可能性はありますが、111円台半ば前後からはひとまずドルの手当てをゆっくりと行ってもいいレベルではないかと考えています。

米経済データは引き続き強弱まちまちで、いいものと悪いものが交互に出ているように思えます。労働市場は引き続き良好で、インフレ指標がいまいちといったところですが、仮にこのままの状況が続いたとしても、9月、あるいは12月の利上げを止めるほどの材料になるとも思えません。本日の予想レンジは111円60銭~112円60銭程度をみています。

【外為オンライン シニアアナリスト 佐藤正和の情報コンテンツはこちら】

【外為オンライン シニアアナリスト:佐藤正和】 邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。 インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。 通算20年以上、為替の世界に携わっている。
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