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ドル円米財務長官発言で上昇

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<ひと目で分かる昨晩の動き>

【NY市場】
ムニューチン財務長官が、税制改革は近く発表できると発言したことで株価と金利が上昇。ドル円はこれを手がかりに、109円台を回復し、109円49銭までドル高が進む。

ユーロドルは続伸。1.07台で推移し、1.0777まで買われたが、ドル高が進み1.0711まで売られる場面も。

株式市場は大幅に反発。ムニューチン財務長官の発言を受け、多くの銘柄が買い物を集める。ダウは一時200ドルを超える上昇を見せたが、引けでは前日比174ドル高。

債券相場は続落。米財務長官発言やフランス大統領選でマクロン氏の支持率が上昇したとの報道が手がかり。長期金利は2.23%台に上昇。

金は小幅に反発し、原油価格も続落。

新規失業保険申請件数       → 24.4万件

3月景気先行指標総合指数     → 0.4%

4月フィラデルフィア連銀景況指数 → 22.0

ドル/円108.99 ~ 109.49

ユーロ/ドル1.0715~ 1.0777

ユーロ/円117.11~ 117.82

NYダウ  +174.22 → 20,578.71ドル

GOLD   +0.41 →1,283.80ドル

WTI  -0.17 → 50.27ドル

米10年国債  +0.018 → 2.232%

【本日の注目イベント】
独 独4月製造業PMI(速報値)
独 独4月サービス業PMI(速報値)
欧 ユーロ圏4月総合PMI(速報値)
欧 ユーロ圏4月製造業PMI(速報値)
欧 ユーロ圏4月サービス業PMI(速報値)
英 英3月小売売上高
米 3月中古住宅販売件数
米 企業決算 → GE
米 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演
加 カナダ3月消費者物価指数

今週前半には108円13銭近辺まで売られ、108円割れもあろうかという状況だったドル円は、昨日のNY市場では109円台半ばまで値を戻しやや安心感も広がっています。地政学的リスクや政治的リスクに加え、トランプ大統領の政策実行力にも疑問符が付くようになったことで、ドル売り円買いが活発になったことが背景でした。昨日はトランプ大統領の政策の柱の一つである「税制改革」に実現の見通しが出て、これが市場の雰囲気を好転させました。

ムニューチン米財務長官は昨日ワシントンの会合で、「ヘルスケア問題が片付くかどうかにかかわらず、われわれは税制改革をやり遂げるつもりだ。かなり早期に大規模な税制改革を打ち出せるだろう」と述べました。(ブルームバーグ)市場はこの発言に飛びついたところがありますが、気をつけなければいけないのが、英文では「by  year’s end 」と記されていることで、「年末までには」と読めることです。今朝のこのニュースに関する記事では、かなり早期に発表されるとの印象ですが、年末までずれ込むこともあり得るということは頭に入れて置きたいところです。

ドル円は109円台半ばまで上昇したことで「1時間足」では200時間の移動平均線を越えて来ました。この移動平均線が今度は「サポート」になるとすれば、109円15-17銭あたりが下値のメドとなり、それほど下げないとう見方もできますが、日曜日にはフランス大統領選を控えているだけに、予断は許しません。世論調査では、マクロン候補の支持率が24%に上昇し、決戦投票ではルペン候補に勝利するとの予想ですが、一方ではシャンゼリゼ通りで発砲があり、警察官一人が亡くなっているなど、不穏な中での大統領選です。何が起きるか分からないと言う意味では、われわれは昨年「2度も経験」しているわけです。無理をせずに、高みの見物でもいいと思います。「ブラックスワン」を観ることがないとしても、ドル円は110円台後半からは上値が重いと見ていますが、どうでしょう。

本日のレンジは108円80銭~109円80銭程度と予想します。

【外為オンライン シニアアナリスト 佐藤正和の情報コンテンツはこちら】

【外為オンライン シニアアナリスト:佐藤正和】 邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。 インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。 通算20年以上、為替の世界に携わっている。
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