<ひと目で分かる昨晩の動き>
【NY市場】
米長期金利の低下が一服したことで、ドル円は109円台まで上昇。ただ前日と同様に、109円台は維持できず108円90銭近辺で取引を終える。
ユーロドルは1.07台で小動き。フランス大統領選を見極めたいとする姿勢がさらに強まり、値幅も30ポイント以下に留まる。
株式市場は大幅に続落。原油価格が急落したことからエネルギー株を中心に売られる。ダウは118ドル下落し、2カ月ぶりの安値を記録。一方ナスダックは13ポイント上昇。
債券相場は反落。10年債利回りも今年最低水準から上昇。ドイツ国債の利回りが上昇したことや、利益確定の買いが金利を押し上げた。
金は反落。原油価格は在庫が予想外に増加していたことを手がかりに大きく売られる。前日比2ドル近い下落幅を記録し、引け値では50ドル台まで売られる。
ドル/円108.69 ~ 109.18
ユーロ/ドル1.0700~ 1.0728
ユーロ/円116.52~ 116.97
NYダウ -118.79 → 20,404.49ドル
GOLD -10.70 →1,283.40ドル
WTI -1.97 → 50.44ドル
米10年国債 +0.046 → 2.214%
【本日の注目イベント】
日 4月貿易収支
独 独3月生産者物価指数
欧 ユーロ圏4月消費者信頼感(速報値)
米 新規失業保険申請件数
米 3月景気先行指標総合指数
米 4月フィラデルフィア連銀景況指数
米 G20(ワシントン)
米 パウエル・FRB理事講演
米 企業決算 → ビザ、ブラックストーン
108円台前半では底堅い動きを見せるドル円ですが、109円台定着にはいたっていません。米長期金利がひとまず下げ止まったことを材料に、NY市場では109円18銭まで上昇したものの、前日の東京市場でもこの水準で上昇を抑えられたこともあり、108円台後半まで押し戻されて取引を終えました。
昨日は経済指標の発表もなく、ベージュブックの内容に注目が集まりましたが、ここでも足元の米景気は強弱入り混じっているとの内容に、特段材料にはなっていません。ベージュブックでは、全12地区連銀が景気は拡大しているものの、そのペースは「緩慢と緩やかで等しく分かれている」と記述され、「将来の支出に回す所得が増えているにもかかわらず、自動車以外の個人消費は軟調だった」と述べられていました。(ブルームバーグ)
108円台前半から109円台前半で、新たなレンジを形成しつつあるドル円ですが、依然として上値の重い値動きが予想されます。ペンス副大統領と麻生財務大臣との日米経済対話は、貿易不均衡や為替問題では懸念されたほど米側からの圧力もなく、具体的な問題については今後に持ち越されました。それでも引き続き朝鮮半島での緊張と、欧州の政治的リスクが市場を覆っており、
いずれも、今後の展開次第では為替がどちらにも大きく動く可能性を秘めています。来週月曜日の午前中にはフランスの大統領選の結果は判明すると見られますが、北朝鮮を巡る問題は、にらみ合いが続きそうです。
ドル円は日足の「200日移動平均線」をザラ場では下抜けしたものの、引け値ベースではまだ抜け切れていません。このまま上昇し109円台を固める動きになれば、結果的に「200日線」にサポートされたことになりますが、現時点ではまだ判断できません。本日はそれほど重要な経済指標もなく、朝鮮半島の動きと、フランス大統領選の支持率の変化に目を向けることになります。ユーロが対ドルでも、対円でもやや反転の兆しを見せている一方、豪ドルは軟調な動きになっています。オーストラリアの労働市場の不透明さが豪ドル売りを誘っていると見られます。
本日のドル円は108円30銭~109円30銭程度と予想します。