<ひと目で分かる昨晩の動き>
【NY市場】
ドル円は113円台でもみ合い、株高、金利高にもかかわらず上値が重い展開。今夜のイエレン議長の議会証言を控え、取引は薄商い。113円70銭近辺で取引を終える。
ユーロドルは小幅ながら続落。1.06台から1.0592近辺まで売られる。
株式市場は3市場とも最高値を更新。トランプラリーが継続していると見られ、銀行株などが上昇を牽引。ダウは142ドル上昇し、2万400ドル台に乗せる。
債券相場は続落し金利は上昇。財政拡大見通しが台頭し、売り物が優勢となる。長期金利は2.43%台に上昇。
金は続落し、原油価格も反落。
ドル/円113.55 ~ 114.06
ユーロ/ドル1.0592~ 1.0633
ユーロ/円120.39 ~ 121.02
NYダウ +142.79 → 20,412.16ドル
GOLD -10.10 →1,225.80ドル
WTI -0.93 → 52.93ドル
米10年国債 +0.027 → 2.434%
【本日の注目イベント】
日 12月鉱工業生産(確定値)
中 中国 1月消費者物価指数
中 中国 1月生産者物価指数
独 独10-12月期GDP(速報値)
独 独2月ZEW景況感指数
伊 イタリア10-12月期GDP(速報値)
欧 ギリシャ10-12月期GDP(速報値)
欧 ユーロ圏10-12月期GDP(改定値)
欧 ユーロ圏12月鉱工業生産
英 英1月消費者物価指数
英 英1月生産者物価指数
米 1月生産者物価指数
米 イエレン・FRB議長、上院銀行委員会で証言
米 ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演
米 カプラン・ダラス連銀総裁講演
米 ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
NY株式市場が活況を呈しています。昨日は再び主要3市場とも最高値を更新し、ダウは先週木曜日から3営業日連続で最高値を更新し、ついに2万400ドル台に乗せてきました。トランプ大統領の規制緩和や、法人税の見直しで「驚異的な」計画を発表することへの期待感が株価を押し上げています。
ダウは先週末比142ドル上昇し、長期金利も2.43%台に乗せてきました。ただその割にはドル円の上値が重く、NYでは昨日の朝方記録した114円16銭近辺の高値を一度も試さずに取引を終えています。本日イエレン議長が半年に1回の議会証言を行うことで様子見気分が広がっているようです。
イエレン議長は今夜上院で証言を行います。FRBは現在、年内3回の利上げを見込んでいますが、今月3日に発表された雇用統計を踏まえてどのような認識を示すのか注目されます。1月の雇用統計では、非農業部門雇用数は22.7万人で、市場予想を大きく上回ったものの、平均賃金が予想に届かず賃金の上昇率が鈍化していました。3月のFOMCでの利上げ確率は低く、市場は「見送り」を予想していますが、イエレン議長がそのタイミングについて言及するのかどうかに注目しています。
また、株価の上昇が織り込んでいるように、トランプ大統領が公約通り大規模な法人税減税を実施すれば、米景気にとってもプラスになります。企業収益の大幅増額につながり、一株あたり利益を押し上げ、株価上昇の要因になると考えられます。株価の上昇は米国人にとっては資産効果が増し、個人消費の増加が見込めるといった好循環が期待できます。イエレン議長が、このような政府の政策の影響についてもどのような認識を示すのかが注目されています。
株価の上昇と金利高を材料に本日のドル円は、少なくともアジア時間は底堅い動きを見せると予想します。NYでは上記イエレン議長の議会証言の内容が明らかになるまでは動きにくい展開が見込まれます。昨日も述べたように、114円台半ばには「8時間足」の雲の上限と200日線があり、比較的強固なレジスタンスになっているものと思われます。114円50銭~115円のゾーンを抜け切れるかどうかが重要になります。減税期待から株価が上昇し、米金利も反転してきています。このリスクオン状況の中上記水準を抜け切れないと、再び下値を試すことも予想されます。本日は113円~114円50銭のレンジを見ています。
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